東京中央郵便局=08年3月撮影
JPタワー(仮称)の完成予想図。11年度中の完成を予定している=日本郵政提供
日本郵政が進めているJR東京駅前の東京中央郵便局の建て替え工事について、鳩山総務相は26日の衆院総務委員会で、「工事で(局舎の)重要文化財としての価値がなくなったら国家的な損失になる」と述べ、計画の見直しを示唆した。今後、塩谷文部科学相と対応を協議する。工事中止を求めた河村たかし議員(民主)の質問に答えた。
日本郵政は1931年に建築された同郵便局の局舎(5階建て)の一部を残したまま2011年度までに38階建てのビルに建て替え、テナントからの不動産収入を得る計画。局舎はまだ保存のための調査工事中で解体されておらず、建築家などから歴史的な建築物として保存を求める声が出ていた。
文化庁は局舎を建て替えれば、重要文化財としての指定は難しいとみている。鳩山総務相は工事の認可権限がないと断ったうえで、「重要文化財の価値があるものが、その価値をなくすようなことはしてはいけないと思う。慎重に検討する」と述べた。
河村議員はさらに「かんぽの宿と同じような入札疑惑を指摘する声もある」と調査を要求し、鳩山総務相は「事務方と相談する」と答えた。