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大丸、店舗すみ分け課題

心斎橋新館、梅田店とも至近

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大丸心斎橋店(手前)とそごう心斎橋本店(大阪市中央区で)

 セブン&アイ・ホールディングスから、そごう心斎橋本店を買い取るJ・フロントリテイリングにとって、現在の本館、南館と合わせて3館体制となる大丸心斎橋店の売り場構成の見直しが喫緊の課題となる。大丸梅田店の増床計画もあり、二つの大型店をいかにバランスさせるかが、大阪で激しくなる百貨店間の競争を勝ち抜くためのカギとなる。

(岸本英樹)

◆複数館運営

 大丸心斎橋店は、そごう心斎橋本店の売り場面積を合算すると約7万7000平方メートルとなる。2010年以降、増床や建て替えが相次ぐ大阪市内の各百貨店に対抗できる規模は整う。

 大丸の福岡天神店(福岡市)は、総合的な品ぞろえの本館と、ファッション性の高い商品に特化した別館の2館体制で運営されている。J・フロントはこれを「別館体制の代表的な成功例」とし、ノウハウを大丸心斎橋店にも生かす考えだ。

 ただ、業界では「複数館体制は、客の流れが悪く運営が難しい」(大手百貨店)との見方が根強い。加えて心斎橋で隣り合うそごう(14階建て)と大丸本館(8階建て)の建物の構造が異なり、高さにズレもあることから連絡橋を設置するのは難しいとみられる。

◆増床

 一方、J・フロントは、11年に大丸梅田店を現状の1・6倍の6万4000平方メートルに増床する。大丸は地下鉄でわずか10分以内で行き来できる距離に、二つの大型店を持つことになる。

 これまで高級感のある品ぞろえを売りとする心斎橋店に対し、梅田店は会社帰りのOL層らを狙うなど、店ごとの特徴がはっきりしていた。しかし、そろって売り場が拡大することで、品ぞろえが似通ってしまう恐れもある。両店の位置付けの整理も、新しい売り場づくりの課題となる。

 大丸心斎橋店「新館」の開業まで8か月余り。店舗をどうすみ分けるか、急いで戦略を固める必要がある。

2009年2月27日  読売新聞)

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