2009. 2. 28 Sat.
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漫画家に訊く! 〜ぶっちゃけそのへんどうなんスか!〜 第15回 入江亜季さん part.2
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入江亜季さんをゲストにお迎えしての「ぶっちゃけそのへん」。part.2は大好評連載中の『群青学舎』を中心とした入江亜季作品について。入江さんがどういうことを考えながら漫画を描いているのか、聞いてみました。
【『群青学舎』のヒロイン達は、気が強い女性が多いような気がするのですが、もしかして入江さん自身もそうなのでしょうか?】(はるさんより)
逆だからです(笑)。
自分が気が弱いから、気の強い人っていいなと思って描いてます。できないことを漫画にしてるんですよね。
でもほら、気の強い子を泣かしたりとか楽しいじゃないですか。
モリオカ: う……。即答できませんが、その気持ち、わからなくもないです。漣子(『群青学舎』1巻収録『白い火』のヒロイン)が泣いた時は、かわいそうな反面、どこかで「おお! 泣いた!」とか思う自分がいました! なんかよくわからないカミングアウト、すみません!
▲『白い火』(『群青学舎』1巻収録)より。
気の強い女学生・漣子が、恋人の静間に心を預けていく過程で、ホロリと涙を見せます。
大事ですよ、それは。 もう、気の強い人をヘコますために漫画描いてます。やっぱり、女のコが泣いたり笑ったりとか、かわいいですしね。
【『群青学舎』で印象深い(苦労した、ずっと温めていたネタだった等)回を教えてください】(芳子さんより)
ネタのストックはありません! (担当編集の)大場さんに“泥縄”って言われてるんですけど。泥棒を見てから縄を綯うって(笑)。
本当に、その時に思いついたものしか描いてないんですよね。「次にあれをやろう」って思ってたことは、ほとんどないですね。
一番苦労したのは『森へ』です。描くのに1ヵ月かかりました!
▲『森へ』(『群青学舎』1巻収録)より。
WEBの画像では伝えきれない渾身の自然描写! 作品の解説が
コチラ
(担当編集・大場の日記)でちょっとだけ読めます。
『白い火』だけは、昔に考えていた話が元になってます。漣子は脇役で、お兄さんのほうが主人公だったんですけど。
▲『白い火』より。
妹・漣子の収入をあてにするダメ兄貴。女にも手をあげる暴君です。
お兄さんはもっとタレ目で、なにやっても上手くいかない可哀想な人だったんです(笑)。彼がすごく美しい人と知り合ってしまって、その人のために変われたら…みたいな話でした。
で、そこに、うるさい妹として漣子が出てくる。そんな「何もできないお兄さんと、なんでもできちゃうしっかり者の妹」という設定を考えてました。
その子をメインに描いてみたくて、『白い火』が出来上がりました。
モリオカ:そしたら、漣子の彼氏である静間なんかはもう、脇役の脇役だったんですね。
そうなんです。彼は、漣子に言い寄るんだけど全然相手にしてもらえないっていうキャラクターでした。
▲『白い火』より。
当初の入江さんの設定を裏切り、実際はラブラブになったふたり。キャー。
モリオカ:『群青学舎』を読んだ人から言われました。「静間と漣子、このふたりがなんで付き合うようになったのかが、すごく気になる!」って。「どっちが告白したんだ!」とか(笑)。
ああ、そういうことを気にしてくれると嬉しいですね。
多分、一番苦労したのが『白い火』の1話目(『白い火』は3部作)なんですけど、1ヵ月くらいネームがボツになり続けてました。その段階では、静間と漣子はもっと仲が良くて、学校にナイショで手を繋いだり、目を合わせたりするっていうような話でした。そう、ナイショでデートする漫画だったんですよ。
でもそれがなかなか上手くいかず初めて描けなくなって、センチメンタル・ジャーニーというのか、そういう旅に出たくらいです。
たまたま田舎(=実家)に帰らなくちゃいけなかったんですが、新幹線で、もう泣くかと思って。というか半泣きでしたね。
モリオカ:それがこのような3部作に!
だから泥縄なんですよね(笑)。
【キャラクターを魅力的に描かれる際に心がけていることはありますか?
(私のお気に入りは強い王女様です)】(カカリヤさんより)
とりあえず“欠点をひとつ”作ること、かな。普通に隣にいる人だと漫画になりにくいので、極端な人を描くようにはしています。
他に心がけていることは二面性。二面性のある人が好きなんです。かわいいのにずっと怒ってる女の子とか。好きなのに嫌いなふりをしてるとか。お嬢様らしくできないお嬢様とか。そういう、ちょっと逆なところ。
コダチ先生はこんなトッポそうなのにノーブラとか。いや、ノーブラな一面っていうのはないか(笑)。トッポそうなのにパソコンの先生とか。
▲『先生、ぼくは』(『群青学舎』1巻収録)より。
騒いでばかりの男子小学生に手を焼くパソコンのインストラクター・小太刀茜先生。すぐ泣いちゃう29歳です。先生についてのある疑惑に、生徒達の騒ぎはますます炎上し……。
モリオカ:そういえば以前、「大企業の社長なのに、会議がいやで机の下にもぐっちゃう人」の漫画を入江さんが考えてて……という話を大場からチラッと聞いたことがあります。
ありました、ありました! バカ殿ですね。でもただのバカ殿じゃなくて、アホなのにカリスマ、という二面性があるわけです。そういのは好きですね、とっても!
【『群青学舎』では、涙が「ぶわっ」となる場面が多い印象があるんですが、
なにか涙にこだわりはあるんでしょうか? どの場面もかなりグッと来ます】(riow89さんより)
▲『群青学者』 1巻から涙ムスメ2連発!
堤防が決壊するように「ぶわっ」と泣いてます。グッと来てるのはriow89さんだけではないはず。
「気の強い女の子を泣かしたい!」という気持ちはとてもあるのですが、絵そのものはあんまり強く意識してないですね。なりゆきです(笑)。でも「泣く」という行為――何かのスイッチが入ったこと――が見てよくわかるようにということは考えてます。
あとは女の子の色んな顔――笑ってる顔、泣いてる顔、怒ってる顔――が見れたらそれだけ嬉しいし、お得感があると思うので、自然に力が入っているんだと思います。
【いま一番(あるいは次回作の構想でも)興味のある題材はなんですか?
(恋愛とか、メイドとか、コーヒーとか、侍とか、SFとか)】(ユリさんより)
今日も着てますけど、「和服」。
それから「景色」。きれいな景色を描きたいなあと思います。
あとは「外国」。具体的にはヨーロッパ。『エマ』がなかったらイギリスって言ってるかもしれないんですが(笑)、他の国に目を向けているうちに色々と魅力がわかってきたので“ヨーロッパ”という回答で。
でも美しいっていう点でいえば、やっぱりイギリスが一番だと思います。ヨーロッパを好きになったのも、イギリスに行ったことが発端ですし。
興味があるのはフランス。北欧は、まだあんまり調べてないんです。資料が少ないけどドイツもいいですね。
モリオカ:ちなみに、行ったことのある国(都市)はどこですか。
北京、ウィーン、プラハ、上海、ロンドン、エジンバラ、カイロ、アレキサンドリア。フエとスペインはよく覚えてないんですけど行きました。
多分私は、古い建物を見たいんですよね。だからアメリカには、そんなに惹かれないんだと思います。
実際は、建物が目的だったわけじゃない旅行もありました。たとえば中国は、当時、大学で中国文学を専攻していたので、近いからバックパック背負って行っちゃおう、という感じだったり。
日本は歳をとったら行きます! 日本語通じるんだもん(笑)。外国は、たくさん歩いたりもするし体力勝負だと思うので、元気のあるうちに行かないと。交通費が殆ど変わらないなら海外に…というのもありますけど。
【『コダマの谷』は同人時代から読んでいて好きでした。
単行本を、好きな女性(妻なんですが)に贈りたいと思ます。
そういう読者はイメージにありましたか?】(男性読者・アヤオさんより)
モリオカ:入江さんが想定していた読者からズレてますか、ということでしょうね。そんな風に「男が読んで女にあげる」というのは意外ですか。
ああもう、薦めてください! ひとりで黙々と読むだけじゃないんだってわかって嬉しいです。
モリオカ:たとえば書店でおじいさんが『群青学舎』を手に取っていたらビックリします?
わあー…嬉しい。でも誰に向けてとか限定せずに、それこそおじいさんじゃなくても、ちっちゃい子でも読んで面白いって言ってくれたら嬉しいです。
モリオカ:子どもは想像力がないから、漫画が出してる面白さだけが勝負になりますもんね。
そうですね。あ、でも両親や親戚に読まれるのは少し不安でした。ちょっとエッチなシーンがあったりすると、田舎で漫画読まない人ってどう思うんだろうと思って……。でも結構喜んでくれてるみたいで良かったですけど
(part.1の※1を参照!)
。
【『群青学舎』に出てくる女性は何気ないしぐさにも色香があってドキドキしてしまいます。モデルがいたりするのでしょうか】(HAYAさん)
モデルはいないですねえ。考えたことないなあ。でもファッション雑誌は見ますね。色気も意識してます。やっぱり女の子は色気がないと。無駄に振りまかなくていいんですけど、必要な分はキチンと入れます!
モリオカ:こういう質問が来るということは、それはちゃんと届いてるってことだと思います。
そうか。嬉しいです!
(入江さんの興味の矛先や、力を入れてるところって、そういうところだったのか! ……という新鮮な驚きに満ちたpart.2でございました。『群青学舎』が今よりもっともっと楽しみな作品になりましたら、コレ幸いです。そしてインタビューは次で最終回。9月21日公開予定!)
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