検討委へ来月諮問　授業料半額に

　【名護】名桜大学を運営する学校法人名護総合学園（比嘉鉄也理事長）は二十六日、二〇一〇年四月に同大を現行の公設民営から公立大学法人へ移行する方針を決めた。公立化により国の交付金を受けることで、授業料を現在のほぼ半額に設定する予定。同大学は「全国一所得が低い沖縄で、経済的理由から進学をあきらめる生徒が出ないよう教育の機会均等を図り地域活性化につなげたい」としている。

　同学園は少子化に伴う学生獲得競争を見据えた対応として公立化を検討していた。比嘉理事長が三月四日の学内公立大学法人化検討委員会（委員長・瀬名波榮喜学長）に諮問、同月十三日までの答申を求める。新法人の設置主体は北部広域市町村圏事務組合を想定している。

　現在の授業料は学科によって異なり、年間百二十万円（人間健康学部看護学科）から七十五万円（国際学群）の幅で、大学側によると公立化によりいずれも県立大学並みの五十万円台となる見込みだ。

　公立大学法人は、独立行政法人の一形態で〇四年に制度化。〇八年に中央教育審議会による教育費の家計負担の是正を求める提言などを受け、公立大学法人化への流れが加速している。名桜大は昨年十月、四月から私大から初の公立大学法人となる高知工科大学を視察するなど、学内で勉強会を重ねていた。

　名桜大は一九九四年に県と北部十二市町村が設立した。比嘉理事長は「来年四月の移行を目指し全力でやる。北部市町村への協力を求めたい」と話した。

　北部十二市町でつくる北部広域市町村圏事務組合の島袋吉和理事長（名護市長）も、「議論を進め広域圏としても協力していきたい」と前向きな姿勢を示した。