■■本書の目次■■
トヨタをつくった「大野耐一の鬼十訓」
まえがき
第1訓
君はコストだ。まずムダを削れ。それなくして能力は展開できない。
ムダは隠れる。仕事の隠しごとをまずやめよ。
小さな数字を集めろ。大きなムダが見えてくる。
過去の数字で計画を立てるな。過去のムダを引き継ぐことになる。
生産性で自分をはかれ。忙しさは生産性ではない。
モノをつくるのではなく、「必要なモノをつくる」。
第2訓
始めたらねばれ。できるまでやめるな。中途半端はクセになる。
わかったつもりになるな。「まだ」に発見がある。
応急処置を避けよ。「その場でとことん」をクセにしろ。
「できるかぎりやる」でなく、「できるまでやる」んだ。
満足しても慢心するな。自信があっても過信をするな。
第3訓
困れ。困らせろ。安易を好む人と決定的な能力格差がつく。
大増産を小増員でやれ。成長の秘密はそこにしかない。
仕事は「可能か」で決めるな。つねに「必要か」で決めよ。
答えを教えるな。考えさせる工夫をしろ。
ほしいときは「なくても」で、上げたければ「下げたら」で発想せよ。
人を動かすには気持ちを揺さぶる。揺さぶるには困難を持ち込む。
第4訓
ライバルは君より優秀だ。すなわち君は「今」始めることでのみ勝てる。
様子を見すぎるな。タイミングに見放される。
なんでもその場でやれ。なんでもすぐ片づく。
明日でも対策は見込めるが、今日なら良策が仕込める。
積み上げが、仕事を鍛え上げる。
第5訓
仕事に痕跡を刻め。十割を命じられても十一割めを自前の知恵でやれ。
「できた」で止まるな。「もっとできる」に進め。
言葉通りにやらず、言葉に知恵を足せ。
一律を避けよ。労働強化のもとになる。
教えるな。気づかせろ。
第6訓
平伏させず心服させろ。そのためにはだれより長い目で人を見ることだ。
適材適所に「適時」を加えよ。
手をかけ時間をかける。そうしてこそ人から声がかかり始める。
まずやらせるな。まずやってみせろ。
汗をかかせるな。知恵に欠けてくる。
第7訓
「できる」とまず言え。そこに方法が見つかる。
「できる」を信じる。「できない」は疑う。
知恵は平等だ。知恵の引き出し方で差がつく。
評論家を評価するな。批判で判断を終えるな。
多忙を改めたいなら、仕組みを改めることだ。
第8訓
失敗を力にしろ。真の自信も運もリカバリーから生まれる。
成果を上げるには、ネを上げないことだ。
「失敗だ」とあきらめるな。「失敗にしたくない」と発想せよ。
支持されたいなら、指示を減らすんだ。
数字の嘘を見抜け。教師は現場である。
第9訓
労働強化を避けよ。人間「ラクになるには」に一番頭が働く。
「平均的に」はラクではない。「最速で」がラクである。
失敗パターンを改善せよ。成功パターンも改善せよ。
目標値が高ければ、出発点は低くていい。
利潤で決めていいが、利潤だけで決めてはならない。
第10訓
お客の叱声は成功の呼び声だ。逃すな。いじけるな。考え抜け。
相手を変えたいなら、自分が変わるんだ。
むずかしいことはやさしく言え。やさしいことはくり返し言え。
「できる」信念も、「できない」信念も強さは同じだ。
いいチームにせよ。いいチームができたら改善せよ。
あとがき |