県は25日、土砂災害防止法に基づく「土砂災害警戒区域」の指定で、白河市内など10カ所に誤りがあったと発表した。うち5カ所は本来、建物の倒壊などが予想される「特別警戒区域」に該当したが、レベルが軽い通常の「警戒区域」に指定していた。人命にかかわる災害対策上のミスで、県は今後、全区域を再点検する方針。
県砂防課によると、誤りが判明したのは白河、郡山市、西会津町、天栄村の4市町村の計10カ所。5カ所は範囲を狭く、5カ所では広く指定していた。
1月に白河市大信豊地の住民から「家を建て替えたいので区域を教えてほしい」と県南建設事務所に照会があり、誤りが発覚。現地は約5メートル狭く範囲を指定しており、住民の自宅は本来「特別警戒区域」だったが、「警戒区域」とされていた。
県が調査を委託していた郡山市のコンサルタント会社「国際航業」が、航空写真による測量図面に、現地調査の結果を反映し忘れたのが原因という。県も書類上でチェックしたが、ミスに気付かなかった。同社に委託した162カ所を既に点検し、今後は、他社委託分の全876カ所を再点検するという。
土砂災害警戒区域は急傾斜地などの災害防止のため、県が指定する。「警戒区域」では建築物に規制はないが、「特別警戒地域」では壁の補強や擁壁の設置などが義務づけられる。【今井美津子】
毎日新聞 2009年2月26日 地方版