売却や廃止の可能性がある二本松市成田町1の「社会保険二本松病院」(有壁譲院長、160床)の公的病院としての存続を求める集会が22日、同市郭内1の市勤労者研修センターで開かれ、約100人が参加した。
全国の社会保険病院は昨年10月、厚生労働省から独立行政法人「年金・健康保険福祉施設整理機構(RFO)」に移管され、売却や廃止が検討されている。1963年に設立された二本松病院は産婦人科の入院設備を備えるなど、地域の拠点となる総合病院としての役割を担っており、存続を求める署名活動などを行ってきた「二本松病院を守る会」が集会を企画した。
集会では、東京北社会保険病院の「守る会」事務局長の山本健二さんが「民間に売却してもいいと言う人もいるが、公的医療機関は救急や産科といった不採算医療を充実できる」などと講演。その後の意見交換では「二本松病院がないとお年寄りが通院するにも時間がかかる」などの声が上がった。参加した同市内の主婦(72)は「身近に総合病院があると安心感がある。公的な病院でないと費用負担が大きくなりそうで心配」と話していた。
同会は3月5日、衆参両院議長に約2万人の署名を提出する予定。【蓬田正志】
毎日新聞 2009年2月23日 地方版