草食系男子にもなれない？　昆虫系男子の言い分とは【独女通信】

「男は積極的に女性を狩る肉食系と、自分から動かない草食系だけじゃない。俺達みたいに頑張ってるのに女性に相手にされない、『昆虫系男子』もいるんです！」
とのっけから力説するのは、34歳の会社員と公務員の彼女なし独男コンビ。彼らは自分達を、昆虫系男子と標榜する。

　とその前に。草食系男子について、説明しておかねばならない。
Wikipediaによると、「一般的には、協調性が高く、家庭的で優しいが、恋愛に積極的でないタイプの男性」とある。昨年には『草食系男子の恋愛学』（森岡正博著）『草食系男子「お嬢マン」が日本を変える』（牛窪恵著）などの本が刊行されるなど、今注目の存在のようだ。

　確かにそれまでの日本男児と言えば、「据え膳食わぬは武士の恥」「浮気は男の甲斐性」という言葉からも分かるとおり、ひたすら攻める肉食系をよしとする風潮があった。しかし真面目で誠実だけど恋愛ポテンシャルが低いゆえに、なかなか女性に注目されない草食系男子を、改めて見直してみては……というのが、最近の風潮のようだ。しかし。この草食系男子にもなれない、言ってみれば昆虫系男子が存在するのだと2人は断言した。

「まず、見た目がやばい。女性に好かれるルックスではないと思う。だから肉食系が好きな女子にも草食系が好きな女子にも相手にされない。そしてちゃんと動いているのに、その動きを認めてもらえないのが特徴です。よく『自分からアプローチしないから、彼女ができないんだ』って説教をされますが、十分動いてますよ！」（Aさん）

　女性に自分から果敢に立ち向かっていくところが、恋愛に対して受け身の草食系男子とは一線を画しているところ。現にAさんは先日友人を介して、にしおかすみこ似の女性と知り合う機会があったそうだ。3対3の、まさに合コン状態。話は盛り上がり、なかなかいい雰囲気になった。しかし彼女はいつまで経っても、「ケータイ教えて」と切り出してこない。しびれを切らして自分から聞いてみた。するとあっさり教えてくれたので、家に帰ってからメールを送ったが、返事はなかったそうだ。

「なのでもう1回送ってみたんですが、これがもう「お礼メールのテンプレ」を、コピペしたかのような内容で。なんであんなに盛り上がったのに、メールはこんなに冷たいんだと、一気に萎えてしまいました。そもそも無視するなんて礼儀を欠いてると思うし、人間の尊厳もキズつけられた気分です。その時点で深追いするのをやめればと良かったのかもしれないけど、そうすると"お前、何もしてないじゃん"って仲間に言われそうで……。でも思うんですけど婚活世代の女性って、低体温の人が多い気がします。飲んで騒いでいる時は楽しく過ごしているのに、結婚を意識して慎重になり過ぎてるのか、誘っても全然のってこないし、メールを無視するなど、冷たく拒絶する人も多くて。飲み会だけじゃなくて2人きりになった時も、もう少し楽しく話をする努力をして欲しいなーって思います」

狩りに出よ、と言われることもある。しかし十分、狩りには出かけている。「1人暮らしが楽で女性を必要としていない」「相手の話を聞かない」「自分から動かない」「プライドが高い」「自分のことがわかってない」など、彼女がいない男性の傾向としてよく挙げられるものは、いずれも当てはまらないそうだ。

「見た目は取っつきにくいかもしれないし、キモいかもしれない。だけど知れば度量の広さや誠実さをわかってもらえる自信はある。なのに外見のせいで、良い点に気付いてもらえない。本当にソンしてますよ……」（Bさん）
そう言いながら2人は、夜の街に消えていった。その後ろ姿は確かに明かりに引き寄せられる、ある種の昆虫のように見えたから不思議だった。

「いい人なら顔は関係ないけど、出会いがない」とか「周りに独身男性がいない」とか言っている独女の皆さん！　彼ら昆虫系男子の叫びを、どう受け止めますか？　え？　私は昆虫好きだって？　ならば今すぐ、採集に出かけてください。彼らはあなたを待っているはずですから。（久保木りん）

■参考サイト
・今、女が狙うべくは“草食系男子"?! - AllAbout