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露双頭体制 異変あり? 大統領独自色、“プーチン批判”も

2月23日7時47分配信 産経新聞


 【モスクワ=佐藤貴生】ロシアのメドべージェフ大統領が内政の表舞台で存在感を強めている。政権への登用を視野に各界からエリートを選出、人事刷新に乗り出すなど将来にかかわる政策を打ち出し始めた。一方で、金融危機対策をめぐり、プーチン首相との間にすきま風が吹いている−との観測も相次いだ。発足から9カ月。両者の「双頭統治体制」に、なにか変化が起きているのだろうか。

 ■人事に新手法

 大統領府は2月17日、「黄金の1000人」とも呼ばれる人材登用プロジェクトの始動を事実上宣言。手始めに実業界や連邦政府、議会などで活躍する25〜50歳の100人のリストを公表した。大統領はこの前日、4自治体の知事の交代を発表していたが、うちプスコフ州知事に指名された上院議員の名前がこのリストに入っていた。

 「顔見知り」を登用し、政権内部で「シロビキ」(治安機関出身者ら武闘派)の伸長を図ったプーチン氏とは全く異なるアプローチといえ、18日付露「独立新聞」は「大統領のリストはシロビキとも、サンクトペテルブルク出身グループとも呼べない」と論評した。

 ■金融対策に不満

 また、大統領は最近、経済対策について積極的に発言しており、1月中旬にはプーチン内閣の金融危機対策に、「現状に比して対応が遅い。実現したものは30%しかない」と正面から不満を口にした。危機拡大の責任はプーチン氏にあるとの立場を明確に示したといえ、米紙ワシントン・ポストは「プーチン氏(の評価)がここ数カ月でさらに傷つくと感じた大統領の、自らのイメージ保持を狙った発言だ」との評論家の見方を伝えた。

 露週刊誌「新時代」によると、大統領が昨年12月下旬、専門家に経済の展望を聞いた際、その深刻さに驚いて報告内容をプーチン首相の元にも送った。ところが、大統領主導の改革案を受け入れるのを嫌った首相が黙殺したとの情報もある。

 ■記者殺害に弔意

 また、プーチン内閣が提出した刑法の一部改正法案について、大統領は議会審議の中断を指示した。法案をめぐっては「警官らによる不当な拘束が増える」との懸念が人権団体から出ていた。この問題に絡んで、プーチン氏のイデオロギー政策を取り仕切ってきた大統領府のスルコフ第一副長官が、大統領との関係重視に動いたとの観測も出た。

 モスクワでは1月19日、民主系新聞ノーバヤ・ガゼータの女性記者と人権派弁護士が何者かに射殺される事件があった。メドべージェフ大統領は同29日、同紙の株主であるゴルバチョフ元ソ連大統領や同紙編集長と面会し、弔意を伝えた。

 反体制のメディアや活動家に厳しいプーチン氏とは異なる対応を示した格好だ。ただし、この日は世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)出席のため、プーチン氏は外遊中だった。このあたりにメドべージェフ氏の権力掌握度を占うヒントが隠れているのかもしれない。

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最終更新:2月23日7時47分

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