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週刊新潮「本社襲撃犯」手記 「真実性なし」本社判断

2009年2月23日3時1分

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 記者2人が殺傷された87年5月の朝日新聞阪神支局襲撃事件(02年に公訴時効成立)をめぐり、週刊新潮は「自分が実行犯だ」とする島村征憲(まさのり)氏(65)の手記を1月下旬から4回にわたって掲載した。朝日新聞は06年に島村氏と面会しており、他の取材結果とも合わせて検証した結果、手記には事実と異なる点が数多く含まれ、真実性はないと判断した。警察庁など捜査当局も「島村氏の証言は信用できず、事件に関与した可能性はない」とみている。

 週刊新潮の記事によると、島村氏は在日米国大使館職員(当時)から「朝日新聞を狙ってくれ」と依頼され、阪神支局襲撃の他に東京本社銃撃(87年1月)、名古屋本社寮襲撃(87年9月)、静岡支局爆破未遂(88年3月)も実行したと証言したという。

 島村氏は別の事件で服役中の05年4月〜06年9月、実行犯を名乗って朝日新聞に10通余りの手紙を寄せ、06年5月には刑務所内で記者2人の面会に応じた。手紙と面会取材で述べた犯行時の服装▽現場の状況▽凶器などの重要な部分が客観的事実と異なっていたほか、週刊新潮への手記では動機などについての説明が変遷していた。

 警察庁は「社会を揺るがせた大事件なので無視はできない」として、阪神支局事件を捜査した兵庫県警などに週刊新潮の記事内容を確認するよう指示。その結果、捜査で裏付けた事実との食い違いがいくつもあり、島村氏が語る経歴などについても疑問点が多いことが判明したという。

 朝日新聞は今月22日、島村氏に電話で取材を申し込んだが、「週刊新潮を通してほしい」と拒否された。

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 23日付け朝日新聞朝刊の特集面に詳しい検証記事を掲載しています。

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