(cache) 書道博物館

平成２０年度　台東区立書道博物館展示予定

３月１日（土）～５月６日（火・休）	蘭亭序
５月７日（水）～５月１３日（火）	展示替え・館内清掃のため休館
５月１４日（水）～７月１３日（日）	企画展中村不折コレクション　清朝碑学派の足跡―鄧石如から呉昌碩まで
７月１４日（月）～７月２２日（火）	展示替え・館内清掃のため休館
７月２３日（水）～１０月５日（日）	企画展中村不折コレクション　良寛、亀田鵬斎、小林一茶、そして不折。
１０月６日（月）～１０月１０日（金）	展示替えのため休館
１０月１１日（土）～１２月２３日（火）	秋季特別展中村不折コレクション　宋・元時代の書画
１２月２４日（水）～１２月２８日（日）１２月２９日（月）～１月３日（土）	展示替えのため休館年末年始のため休館
１月４日（日）～２月２２日（日）	企画展みんなが見たい優品展　パート６ ―中村不折コレクションから―
２月２３日（月）～２月２７日（金）	展示替えのため休館
２月２８日（土）～４月２６日（日）	企画展法帖と帖学派（仮称）

台東区立企画展

「みんなが見たい優品展パート６」－中村不折コレクションから－

展示一覧

平成２１年１月４日（日）～　２月２２日（日）

昨年一年間、当館１階ロビーにある展示希望ノートに書いていただいたリクエストをもとに展示しています。

※文章、画像の転載は固く禁じます。

＜中村不折記念館＞

【第１展示フロア－　１F】

大型展示ケース

１：臨顔真卿裴将軍詩軸

中村不折（１８６６～１９４３）筆／大正７年（１９１８）

中村不折が顔真卿（７０９～７８５）の書と伝えられる「裴将軍詩」を臨書し、健筆会展に出品した超大作。

２：行書四字「克己復礼」双軸

貫名菘翁（１７７８～１８６３）筆／江戸・文久元年（１８６１）

儒学者でもあり、書では“幕末の三筆”の一人に数えられている貫名菘翁の大作。空海の書などの名品を深く学んで大成したという。“克己復礼”とは、自分の欲望を抑え、礼儀にかなった行動をとるという意味である。

３：論経書詩

鄭道昭（？～５１６）筆／北魏・永平４年（５１１）

北魏時代の高官であり、詩、書にも優れたと伝えられている鄭道昭の書。雲峯山に登った彼が、その自然に触れて不老長寿を悟り、安息を得たという詩が刻まれた摩崖（天然の岩壁に刻まれた書）の拓本である。

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展示ケース

４：頌

銘

周（前１１～前８世紀）

頌という人物が制作した青銅器の銘文の拓本。都の臣下二十家を管理し、新しい宮殿の諸役に充てるよう命じられ、忠誠の証として制作された。

とは、祭祀の時に穀物を盛って供える青銅器である。

５：石門頌（旧拓）

後漢・建和２年（１４８）

漢時代の幹線道路の一つ・褒斜道（陝西省）の修復工事に尽力した楊渙の功績を刻んだ摩崖碑の拓本。

６：孔宙碑（明拓）

後漢・延熹７年（１６４）

孔子十九世の孫・孔宙の功績を称えた石碑の拓本。儒教の教えに従い、賢人を尊び、老人を慈しむ政治を行い、後漢時代末の反乱の鎮定にも功績があったという。隷書の特徴である波磔（横画のハライ）の見事な作品。

７：楊淮表記

後漢・熹平２年（１７３）

褒斜道の修復工事に尽力した楊渙（５：「石門頌」）を祖父に持つ楊淮と楊弼の官職、功績を刻んだ摩崖碑の拓本。

８：蘭亭序－董跋本－

王羲之（３０３？～３６１？）筆／
東晋・永和９年（３５３）／刻年不詳

王羲之が蘭亭（浙江省）で客人四十人余りを招いて宴を催し、その時詠まれた詩を集めて添えた序文の原稿。真筆は現存しないが、大量の複製本が伝わっている。この「蘭亭序」には、明時代末の大家・董其昌の跋がある。


２：行書四字「克己復礼」双軸	３：論経書詩

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【第２展示フロア－　２F】

９：鄭羲上碑

鄭道昭　筆／北魏・永平４年（５１１）

鄭道昭が父・鄭羲の徳業と功績を顕彰するため、天柱山（山東省）南面の岩壁に刻んだ摩崖碑の拓本。

１０：鄭羲下碑

鄭道昭　筆／北魏・永平４年（５１１）

雲峯山（山東省）の岩壁に刻まれた、鄭羲の功績を顕彰した摩崖碑の拓本。９：「鄭羲上碑」を完成させた後、雲峯山に良い条件の岩壁を見つけ、改めて制作したものである。北魏時代を代表する名品の一つとして知られる。

１１：匡喆刻経頌

北周・大象元年（５７９）

匡喆という人物が刻経(仏典を刻んだ石碑)の功徳を述べるため、鉄山(山東省)の斜面に刻んだ摩崖碑の拓本。

１２：皇甫誕碑（明拓）

欧陽詢（５５７～６４１）筆／唐・貞観年間（７世紀）

初唐の三大家の一人・欧陽詢の書。誠実さと徳を備え、隋時代に活躍した皇甫誕を称えた石碑の拓本である。

１３：高福墓誌銘

唐・開元１２年（７２４）

高福という人物の墓誌銘の拓本。慎み深く、忠義の心に厚く、唐時代中期に優れた手腕を揮ったという。

１４：書譜－天津本－

孫過庭（唐・７世紀）筆／唐・垂拱３年（６８７）
安岐（１６８３～？）刻／清・康熙４５年（１７０６）

「書譜」は、王羲之の書を中心に先人の作品を評価し、さらに書の本質や学習の心構えなどを述べた草書の名品である。真蹟本は台北故宮博物院蔵。「天津本」は、かつて真蹟本を所有していた安岐が制作した複製本である。

１５：篆書千字文碑

夢英（北宋・１０世紀頃）筆／北宋・乾徳３年（９６５）

篆書に優れた北宋時代の僧･夢英が、千字文（一字も重複しない四言×二百五十句）を篆書で書いた石碑の拓本。

１６：行書後赤壁賦巻

張瑞図（１５７０～１６４１）筆／明・天啓３年（１６２３）

晩明の四大家の一人・張瑞図が、北宋時代の蘇軾(１０３６～１１０１)の詩「後赤壁賦」を行書で書いた作品。

１７：書巻

松花堂昭乗（１５８４～１６３９）筆／江戸（１６～１７世紀）

江戸時代初期に活躍した真言宗の僧であり、また“寛永の三筆”の一人に数えられている松花堂昭乗の書。

１８：楷書前赤壁賦巻

北島雪山（１６３６～１６９７）筆／江戸（１７世紀）

江戸時代中期に流行した唐様（中国風の書）の祖である北島雪山が、蘇軾の詩「前赤壁賦」を書いた作品。

１９：行草書詩稿軸

頼山陽（１７８０～１８３２）筆／江戸（１８～１９世紀）

著書『日本外史』で知られる江戸時代後期の漢学、史学者・頼山陽が、自詠の漢詩三首を起草した作品。

２０：達磨図扇面

富岡鉄斎（１８３６～１９２４）筆／江戸～大正（１９～２０世紀）

明治～大正時代に活躍した近代日本画の巨匠・富岡鉄斎が達磨大師（禅宗の祖師）を描いた扇面作品。

２１：行書二字「慎独」軸

　谷干城（１８３７～１９１１）筆／江戸～明治（１９～２０世紀）

江戸～明治時代の軍人、政治家・谷干城の書。“慎独”とは、一人の時でも心を正し、行いを慎むという意味である。


１２：皇甫誕碑（明拓）	１９：行草書詩稿軸

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【特別展示室　２F】

２２：妙法蓮華経（伝隋刻）

隋時代（７世紀頃？）

世界最古の印刷物として伝わる『妙法蓮華経』の残部。中村不折は隋時代刻と鑑定した。

２３：百万塔陀羅尼経

奈良・宝亀元年（７７０）

百万塔とは、藤原仲麻呂の乱（７６４）の後、称徳天皇が戦死者の供養と国家の平和を祈念して作らせた百万の小塔のこと。この中に納められた『陀羅尼経』は、制作年代が確実な世界最古の印刷物として知られている。

２４：行書七言二句軸

徳川光圀（１６２８～１７００）筆／江戸（１７世紀）

江戸時代前期の水戸藩主であり、さらに日本の大歴史書『大日本史』の編纂を主導した徳川光圀の書。

２５：鶴図軸

伊藤若冲（１７１６～１８００）筆／江戸（１８世紀）

江戸時代中期、緻密な筆使いと精密な色彩の画風で知られた伊藤若冲の水墨画作品。竹に鶴を描いている。

２６：白鵞図軸

張月樵（１７７２～１８３２）筆／江戸（１８～１９世紀）

人物、花鳥画を得意とし、日本・中国の絵画技法の長所を取り入れた張月樵が、白鵞を描いた作品。

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【中村不折記念室　２Ｆ】　当館創設者・中村不折（１８６６～１９４３）の作品を展示しています。

＜洋　画＞	男子立像
＜デッサン＞	裸婦座像／男子立像
＜　画　＞	高砂初旭図／七福神嬉遊図
＜　書　＞	御製「遠山雪」／君が代軸／草書千字文／楷書千字文／龍眠帖（復刻）
＜挿　絵＞	夏目漱石（１８６７～１９１６）著『吾輩ハ猫デアル』挿絵
＜　他　＞	年賀状／百人一首かるた／すごろく／十二支帖／十二支カレンダー


十二支帖	『吾輩ハ猫デアル』挿絵

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●ギャラリートーク（展示解説）

日時	第１回　平成２１年　２月　１日（日）１０時～第２回　平成２１年　２月　１日（日）１３時３０分～
定員	事前申込制で各回２０名（希望者多数の場合は抽選）
申込方法	官製往復はがきの「往信用裏面」に、郵便番号、住所、氏名（ふりがな）、電話番号、年齢、希望日時を、「返信用表面」に郵便番号、住所、氏名を明記して下記までお申込下さい。はがき１通につき１名の申込みとなります。聴講無料。ただし入館料は必要です。
申込先	〒１１０－０００３　台東区根岸２－１０－４台東区立書道博物館　「ギャラリートーク」係まで
締切	第１、２回：平成２１年　１月２１日（水）必着

＜　書道博物館本館　（東京都指定史跡）＞

書道博物館本館（第１･３･４･５展示室）では、玉器、陶器、瓦当、石碑、墓誌銘、仏像、亀甲獣骨文、青銅器、璽印など、日本、中国書法史上特に重要な紙本以外の金石類に見られる文字資料を常設展示しています。

【第１展示室　１Ｆ】･･･漢～唐時代の石碑、墓表、石経など大型の石刻、仏像を展示しています。

石碑	人物の業績や史実、出来事等を刻して建てたもの。台座、文面、題を具えているのが一般的な様式である。際法師碑（北斉時代・天保６年（５５５））／　隆命石刻（前漢時代）／冢土断碑（後漢時代・光和年間）
仏像	死者の供養、来世の安穏を願って作られたもの。光背や、台座に見られる銘文の書が注目される。阿弥陀仏坐像（唐時代・景雲２年（７１１））比丘日永等造像（西魏時代・大統１３年（５４７））
石経	儒教の経典を正確に刻したもの。広く人々の目に触れるものであるため、美しい書が用いられた。三体石経（三国時代／魏・正始年間（２４０～２４８年））一字を古文、小篆、八分隷の三体で刻している。
墓表	莫大な費用を必要とする石碑の建立が禁じられた時代に、碑の形式を小さくして作られたもの。呂憲墓表（後秦時代・弘始４年（４０２））

【第３展示室　１Ｆ】･･･主に漢～唐時代の建築資材や墳墓の副葬品などに見られる文字資料を展示しています。

俑	土製の人形や馬、牛車などの模型。死後の世界で現実のものとなり、死者を助けると信じられていた。牛車（漢時代）／　婦人立像（唐時代）／　馬の塑像（唐時代）
仏像	第３展示室の仏像は、死者と共に埋葬されたものなので小型である。成道釈迦曼荼羅（北魏時代・正光３年（５２２））七仏像（隋時代・義寧元年（６１７））
瓦当文	建物の屋根の軒先に出た筒瓦の先端部分。ここに模様や縁起の良い語句を施している。饕餮文瓦当（春秋戦国時代）／　半円形文様瓦当（秦～漢時代）／　円形絵瓦当（漢時代）
	土製で、現在のレンガに相当する。装飾的な文字や紋様を刻したり、型押しして壁面を飾っていた。急就章（後漢時代）／永元（後漢時代・永元６年（９４））／永寧（後漢時代・永寧元年（１２０））
熹平石経残石	後漢・熹平年間（１７２～１７８）最古の石経。１９２２年に残片で発見された貴重な資料である。
墓誌銘	死者の経歴、役職などを刻して墓中に埋めたもの。ここに刻された書は手本として尊ばれている。司馬昇墓誌銘：(東魏時代・天平２年（５３５）)／　劉浩墓誌銘（唐時代）

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【第４展示室　２Ｆ】･･･青銅製の器、兵器や、それらに施されている古代文字の姿を中心に展示しています。

青銅器

銅と錫の合金で作られた祭祀用の器や兵器。錆の青さが名前の由来。これら青銅器に見られる文字を金文と呼ぶ。

祭祀用

鼎・鬲（煮炊き）／敦・

（盛り付け）／爵・尊・（酒器）／
盤・洗（手や器を洗う）／編鐘（楽器）

兵器

剣　／　重要美術品　戈（秦・始皇２９年（紀元前２１８））


敦（東周時代）	爵（周時代）

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【第５展示室　２Ｆ】･･･第５展示室では、亀甲獣骨文、鏡鑑、陶瓶、璽印、文房具などを展示しています。

亀甲獣骨文	（殷時代）亀の腹甲や、牛の肩の骨を使って占いをし、記録したもの。現在確認できる最古の漢字である。
陶瓶	土製の瓶。まれに漆による文字や模様が見られ、古代の日常的な肉筆文字の姿を知ることができる。錫量（前漢時代・綏和２年（紀元前７））熹平元年瓶（百十一字瓶）（後漢時代・熹平元年（１７２））重要美術品　永寿二年三月瓶（後漢・永寿２年（１５６））
鏡鑑	普通に鏡として、また祭祀にも使用された。装飾や文字に時代毎の特徴があり、考古学的にも重要視されている。重要美術品　神獣鏡（三国時代／呉・建興年間（２５２～２５３））重要美術品　獣首鏡（三国時代／魏・甘露５年（２６０））
璽印	公文書用の官印と私用な私印がある。篆刻芸術の祖、文彭（１４９８～１５７３）の作品も展示している。
墨	煤と膠を練り合わせ、型に入れて固めたもの。明時代の程君房、方于魯は有名な墨職人として知られる。九子墨（方于魯製：明時代）青紫墨（程君房製：明時代・天啓元年（１６２１））古墨（李文奎製）
硯	墨をするための道具。中国、日本各地に産地がある。陶硯（漢時代）／　古温州石硯（唐時代）／　蘭亭硯（宋時代）／　雲龍硯（鎌倉端渓）（鎌倉時代）
経筒	この筒の中に経巻を入れて土中に埋め、極楽往生を願った。平安時代中期頃から行われていたという。
柄香爐	（室町時代）香炉に柄がついたもの。僧が手に持って献香していたという。
磬	上部二つの穴にひもを通して吊るし、打ち鳴らす仏具。鉄製や銅製が多い。
鰐口	現在の神社にある大きな鈴に相当するもの。これを鳴らして祈願をする。鰐の口に似ているため、この名称がある。

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