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「追い出し屋」対策へ全国会議結成 規制法整備を提唱

2009年2月16日10時53分

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写真結成集会であいさつする増田尚弁護士=15日午後、大阪市港区、荒元忠彦撮影

写真結成集会の会場は参加者であふれ、部屋に入りきれない人もいた=15日午後、大阪市港区、荒元忠彦撮影

 賃貸住宅の家賃を滞納した借り主が、家賃保証会社などから強引に閉め出される「追い出し屋」被害を食い止めようと、弁護士や司法書士らでつくる支援団体「全国追い出し屋対策会議」が15日、結成された。家賃保証業の登録制を柱とする「賃貸保証業規制法(仮称)」の早期制定を提唱し、国土交通省に近く申し入れる方針。

 結成集会は大阪市港区で開かれ、東京や大阪、福岡など13都府県の弁護士や司法書士らが参加した。日弁連消費者問題対策委員長の吉岡和弘弁護士は「安全で平穏に居住する権利を侵害する追い出し屋をまかり通らせてはならない」と語った。

 被害の多くは敷金・礼金なしの「ゼロゼロ物件」に集中。被害者の一人、大阪府枚方市の派遣社員の男性(22)は昨秋、妻子が保証会社の社員を名乗る男から追い出されたと証言した。東京では不動産会社と借り主との間で「施設付鍵利用契約」と称した契約が結ばれ、滞納時に玄関ドアの鍵を無断交換される例が紹介された。

 基調講演で、京都産業大法科大学院の高嶌(たかしま)英弘教授(民法)はドアロックや家財撤去などを記した契約書について「建前上は借り主から合意を取りつけている形だが、実際は借り主の権利を排除しているに過ぎず、法律上も無効だ」と指摘した。

 同会議は家賃保証業の登録制導入や深夜早朝の督促の禁止、違反業者への営業停止などを盛り込んだ規制法を提唱。公的保証人制度の創設などを求める宣言を採択した。代表幹事の増田尚弁護士は「低所得者向けの住宅政策が貧弱なことが被害の背景にある。国は法整備を急ぐべきだ」と話した。(室矢英樹)

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