講演に引っ張りだこ
タモちゃん現象の使命感
(AERA 2009年2月16日号掲載) 2009年2月13日(金)配信
木訥ながらリズムのよい語り口。唐突に差し挟まれる冗談。そんな親しみやすさが、前空幕長という重い肩書との相乗効果になり、人をひきつける。
「タモちゃん現象が起きている」。新右翼「一水会」の木村三浩代表はそう指摘する。
一水会でも1月20日、毎月定例のフォーラムに田母神氏を招いた。普段は事務局側で講演者を決めるが、会員から「田母神さんにぜひ話を聞きたい」という要望があったのも考慮した。
木村氏はいう。
「ユーモアもあり、『クーデターなんて考えてません』などとあっけらかんと語るから親近感がわく。一方でリアルポリティックスの場にいた経験もふまえて、『日本は侵略国家でなかった』と言ってくれる。本当に大きな一石を投じてくれた」
不本意な形で自衛隊を去ることになった田母神氏だが、かえって広く国民に語りかけることが可能になった。重しが取れたように発言の幅を広げている。
「もう何を言っても解任されないから楽ですな。日本人の多くが戦後ずっと、自民党や左翼の教師によってヘッドギアをはめられてきた。そのヘッドギアを取り除くことが、私のいまの役目だと思っています。だから積極的に発言して回る。辞めてから、ゴルフに行く時間もなくなっちゃった」(田母神氏)
田母神氏と近い防衛政策アナリストの佐藤政博氏はこう話す。
「元々はっきりものを言う人ですが、いまは相当な使命感を持って発言しているようです」
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