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財務相兼金融担当相の中川昭一さんのこと

2009年02月17日

 私は、当時、地元の「中川番」として帯広に勤務しました。


<ひとつ鍋>ダルマの目の涙
 総選挙が終わった。
 十勝の代表を選ぶ道11区では、自民前職の中川昭一さん(46)が十一万以上の票を獲得し、圧勝した。公示前からこの陣営の取材を続け、中川支援に汗を流す支援者の姿に人知れぬ苦労を見た。
 炊き出しは公選法改正で禁止され、食事はおろか飲み物もお茶程度に限定された。税金で選挙費用をまかなう以上、当然の規制だと思う。
 当選後も事務所での酒のもてなしはだめ。候補者が「日本のリーダー」となる姿を夢見て、ルールを守って頑張った後援者たちは牛乳で祝杯をあげた。
 ところが、当選を決めた二十五日夜、事務所に現れた中川さんは酒に酔っていた。「テレビでもこんな姿が放映されてしまって…。情けない」。当然、支持者の一部から不満の声があがっていた。
 一夜明け、中川さん本人は「反省している」と語った。ふらついた手で左目を書き入れられたダルマが腹のあたりまで黒い涙を流していたのが、切ない。
帯広支社 矢崎弘之
(2000年6月26日付夕刊・北海道新聞十勝版)

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 この記事が掲載された直後、貴方は私に直接電話を下さり、みなさんに申し訳ないとご自分の非をお認めになりました。

 そんな率直さと、選挙戦では本人以上の働きをされる夫人と2児を持つ、家庭人としての姿も想像しながら、政治家と新聞記者という立場を超えて、心を寄せてきたつもりです。だから、この記事は私の中にずっと封印してきました。

 北海道の基幹産業・農業の中心地である十勝の負託を受けている以上は、道民の一人として、国民の一人として、一層の活躍をしてほしいという気持ちに、今も変わりありません。

 今の痛々しいお姿を拝見して、もう一度、あのときの支持者の思いに心を巡らせてほしいと、あえて封印を解きました。

 原因が、お酒だったのか、薬だったのかは、重大ではなく、このような事態に陥る根本の原因は、ご自身が一番よく分かっていることでしょう。また、他の方が指摘しているようなことは繰り返しません。「政治家は命がけの仕事」と常におっしゃっていた貴方には、責任の重さは十分すぎるほど分かっていることでしょうから。

 私は、なお期待しています。私がユジノサハリンスク支局勤務から帰国した際、有楽町近くの居酒屋で経済産業相だった貴方と語り合ったことを覚えています。今回のことで、貴方にとっての「目標」が、ある意味で明確になってきたのではないでしょうか。

 立場を離れてとはいえ、ずいぶん生意気なことを書きました。とにかく、健康を取り戻していただきたい―ということに尽きます。

 最近、スポーツはなされていますか。私は札幌に来て取材現場を一旦離れましたが、合気道を始めました。まだ受け身もおぼつかない段階なのですが、汗を流すと爽快です。難しい局面だからこそ仕事が面白い、仕事があることがありがたい―私はそう思います。

(矢)

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コメント

ここまで頑張ってきながら何故このような状況に陥ってしまったのか、とても残念です。
私も道民の一人として、中川氏の優秀さを信じる者として、過去の失敗を猛省し、前をしっかり見据え、『政治家』として、再び本領を発揮してもらいたいと願っています。

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