韓国政府が近く発表する国防白書の中で、北朝鮮を「直接で深刻な脅威」としていることが明らかになりました。南北関係が緊張する中、北朝鮮の強い反発が予想されます。
今回の国防白書、イ・ミョンバク政権も北朝鮮に対しては、一歩も引かぬという意思表示になりました。
韓国は朝鮮戦争以降、長年、北朝鮮を“主敵”、つまり目の前の仮想敵国と位置づけてきました。しかし、融和政策を推進するノ・ムヒョン政権は、国防白書から“主敵”という言葉を削除、北朝鮮を刺激したくないとの配慮を見せていました。
今回、イ・ミョンバク政権は“直接で深刻な脅威”という厳しい言葉で、北朝鮮の軍事力を定義しています。
融和政策の見直しを進めるイ・ミョンバク政権に対し北朝鮮は激しく反発、弾道ミサイルの発射準備さえ進めている事態になっています。
「(北朝鮮が保有している)核兵器や化学兵器などは、韓国に致命的な被害を与える脅威です。今回の国防白書は、現在の状態をありのまま書いているものと考えられます」(ペク・スンジュン安全保障室長)
白書は軍事的な挑発を繰り返す北朝鮮に対する、強烈なメッセージといえます。“直接で深刻な脅威”との表現について韓国国防省の高官は、「これでも弱いくらいだ」と本音を漏らしています。
来月には、韓国全土を舞台に大規模な米韓軍事演習が予定されています。南北の緊張が治まる材料は、何一つありません。(21日11:50)