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【社会】

『保安官』育成 海保が協力 ソマリア沖海賊対策訓練所

2009年2月21日 朝刊

 アフリカ・ソマリア沖の海賊対策で、国際海事機関(IMO)は、海上保安官に相当する取締官を育てる訓練センターの設置を周辺国に勧告している。関係国などがアジア各国の海上警備力を底上げしてきた日本の海上保安庁にも支援を要請する見通しだ。海保は要請があれば、「アフリカの保安官」育成に積極的に協力する。 

 外務省と国土交通省によると、ソマリア海賊問題のため、IMOは先月下旬にソマリア隣国のジブチで開いた地域会議で、地域の訓練センターをジブチに新設することを勧告した。

 各国が協力して海賊に対処する行動指針に署名したソマリア暫定政府と周辺八カ国が賛成し、訓練センター設置に向けた具体策を検討する。対海賊で海保が東南アジア諸国に行った捜査や警備の強化策が、アフリカで応用されそうだ。

 海保は海賊対策を始めた二〇〇〇年以降、「北太平洋フォーラム」(六カ国)や「アジア海上保安機関長官級会合」(十八カ国・地域)を発足させ、北太平洋からインド洋に至る各国コーストガード(沿岸警備隊)などと連帯。東南アジアで行った各国との対海賊訓練は二十二回に上る。

 各国の現場指揮官らが日本で四−一週間合宿して海保の捜査手法を学ぶ海上犯罪取り締まり研修には、延べ十五カ国、百十五人が参加。ソマリア周辺のイエメンとオマーン両沿岸警備隊も昨秋、初参加した。保安官を養成する海上保安大も六カ国から留学生十三人の受け入れ実績があり、海保は国際的に指導的な役割を期待されている。

 

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