イスラエル軍の攻撃で多くの犠牲者が出たパレスチナ自治区のガザ地区取材から帰国した島原市出身のフリージャーナリスト常岡浩介さん(39)が18日夜、長崎市で講演、「イスラエル軍はパレスチナ人の生活が成り立たないように何もかも破壊している」と訴えた。
常岡さんは1月21‐28日、ガザ地区に入り取材した。講演では現地の写真を見せながら、攻撃が民家や学校、病院、結婚式場にまで及んでいることを説明。病院への攻撃前には、患者や医師が避難するよう攻撃予告されていたことを指摘し「故意に破壊したのは明らか」と批判した。
燃焼力が極めて強く「非人道兵器」とも称される白リン弾や、地上約30センチで爆発する殺傷能力の高い新型爆弾が使用されたことも伝えた。
一方、多くのユダヤ人が「長崎から来た」と言うと非常に親切にしてくれることを紹介。「人類最大の悲劇と言われる原爆とホロコースト(ユダヤ人大量虐殺)の被害に遭ったという点で共通点がある。和平のために長崎の人ができることはあると思う」と語った。
=2009/02/20付 西日本新聞朝刊=