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特集ワイド:草食男子と肉食女子 「がっつき」逆転現象(1/4ページ)

 異性に対してガツガツせず、心地よさを重視する男性。恋愛や結婚相手を積極的に求めて行動する女性--。こんな「草食男子」と「肉食女子」が20代から30代前半に増えているらしい。最近の若者事情は、どうなっているのだろうか?【中川紗矢子】

 ◇♂--「無理しない」7割 傷つくのを警戒

 ◇♀--恋愛積極派6割超 「仕掛ける」実践

 千葉市に住む国立大4年の男子学生(22)は、付き合っている女性はいないが、合コンに参加したこともない。アルバイト先で、バブル期を経験した30代の女性が「チヤホヤされたい」と話すのを聞いて「その感覚が分からない」と思った。「彼女ができても無理はしたくない。それはあらゆる分野に言えますね。『見えっぱりする必要なくねえ?』って思います」

 メーカーの営業部に勤める同市稲毛区の男性会社員(25)も、合コンに行ったことはない。「彼女がいなきゃいけないとか、いないと不安とかはない」と話す。職場の30代後半から40代前半の先輩は「肉食」の人が多く、「お前、どうしようもないな。男としておかしいんじゃないか」などと突っ込まれる。同年齢の同僚2人も「がっつきたくないんで。合コンなんて、正直本当に勘弁してください」と先輩に話すなど、焦りを感じることはないという。

 「草食系男子『お嬢マン』が日本を変える」(講談社)の著書があるマーケティングライターの牛窪恵さん(41)は、20代半ばから30代前半の男性約100人にインタビューした経験から、広い意味で草食男子をとらえると、現在、20代の約7割を占めると感じている。草食男子が増えた原因として(1)兄弟が少なく、受験競争も緩和された世代のため、デリケートで傷付くことを強く嫌う(2)バブル経済の崩壊で経済神話が崩れたうえ、年金問題で競争に敗れた場合のセーフティーネットがないと感じている(3)ライブドアの堀江貴文・元社長が逮捕された事件で、若者が「出るくいは打たれる」と痛感し、「そこそこやっていればいいや」と草食化に拍車がかかった--などが考えられるという。

 一方、「草食男子」という言葉を、初めて紹介したコラムニストの深澤真紀さん(41)は、人数が増えたわけではないとの見方だ。「男には、肉食8割、草食2割が常にいたと思う。でも、かつては肉食に向いていない人も社会的に、表面上は肉食ぶる必要があった。ところが、バブル世代の女性が景気の高揚によって男性並みになることが許され始めたように、男性は景気が悪くなったことによって女性並みになることが許されるようになった。それが表面に出てきた」と分析する。

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毎日新聞 2009年1月21日 東京夕刊

 

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