香川県は19日、同県立中央病院(高松市)で08年9月中旬、体外受精をした不妊治療中の20代女性に対し、誤って別の患者の受精卵を移植した疑いがあり、同11月中旬に人工妊娠中絶を行ったと発表した。病院は女性に謝罪した。
県によると、産婦人科の男性担当医(61)が移植をした際、女性の受精卵が入った容器でなく誤って別患者の容器から取り出した受精卵を女性の子宮に戻した可能性が高いという。本来は女性の受精卵が入った容器のみを台上に置かなければならなかったという。病院側は担当医から「注意不足で誤って他人の受精卵を移植してしまった。非常に反省している」と説明を受けているという。
県によると、女性は県側を相手に約2千万円の損害賠償を求める訴えを高松地裁に起こした。県は「事実関係は大筋で認める。女性側と話し合いを続けていきたい」としている。