10日午後、金武町伊芸区の米軍キャンプ・ハンセン内のレンジ(射撃場)4のヘリポートに航空自衛隊のCH47J輸送ヘリが2度離着陸したことが分かった。空自那覇基地渉外室は日米共同救難訓練に関連した空自救難隊員20人の人員輸送だと説明。従来から使用していたことも明らかにし、今後も使用する意向を示した。
昨年度から米軍再編で陸自がハンセンの共同使用を始めている。空自ヘリによるハンセン使用恒常化の実態が明らかになったことで、地元では被弾事件の解決が見えない中、共同使用の拡大に憤りの声が上がっている。
空自は金武町と県に事前連絡していない。那覇基地渉外室は、米軍専用施設へのヘリ着陸は地位協定上問題ないとの認識を示し、「研修だけなので連絡しなかった。問題があったと反省している。(今後は)必要に応じて連絡しなければならない」と今後も継続使用する可能性を示した。「米軍の訓練には参加しておらず訓練の研修が目的。共同使用ではないが、そう解釈できるといわれれば反省している」とした。
目撃した町職員によると、ヘリがホバリングしてレンジ4のヘリポート付近に降りて姿を消すのが見えたという。自衛隊ヘリの使用は見たことがないという。
那覇基地渉外室によると、1回目の着陸は午後零時45分ごろで空自隊員20人を搬入し、2回目は午後3時すぎに人員を搬出した。
レンジ4は、地元の反対にもかかわらず米陸軍が都市型戦闘訓練施設を建設、訓練を実施している。
キャンプ・ハンセンの日米共同使用では、米軍再編合意に基づき2007年度から陸上自衛隊が実弾射撃などで使用している。ヘリは使用していない。
日米共同救難訓練は9日から13日まで、浮原島訓練場周辺海域を使用している。平時の空自機や米軍機墜落での共同捜索救助や、津波を想定した共同救助を実施する。那覇基地からヘリではUH60J救難ヘリ2機とCH47J1機が参加している。(滝本匠)
(琉球新報)
2009年2月11日