2月14日(ブルームバーグ):中川昭一財務相兼金融担当相は14
日午後(日本時間同日深夜)、7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)
閉幕後の共同会見で、G7共同声明で大規模な追加的財政刺激策と金融
政策を合わせた各国の景気回復に向けた効果が強調されたことを受け、
「1日も早く今年度補正予算関連法案と来年度予算案を成立させること
が最大の景気対策になる」との認識を示した。
会見に同席した日本銀行の白川方明総裁は、日本をはじめ米国や英
国の中央銀行が社債やCP(コマーシャルペーパー)の買い取りなど踏
み込んだ政策を実施、検討していることを挙げ、「特定はしていないが、
こうした政策が適切であるとの評価があった」と述べた。
中川財務金融相は日銀が政策金利を0.1%に引き下げた上で、CP
の買い取りや銀行保有株式の買い入れ検討などの対応策を相次いで打ち
出していることについて「高く評価したい」と強調。政府として今年度
補正予算と来年度予算を切れ目なく執行することで、財政と金融の両面
から景気の下支えに取り組む考えを示した。
中川財務金融相はまた、米議会で7870億ドル(約72兆円)の景気
対策法案が可決されたことを受け、米国に対し「早く適切な財政出動を
やってもらいたい」と要請したことを明らかにした。一方で、米国側か
らは日本の財政政策についての発言はなかったという。
為替問題では、「急激な変動に対しては各国が協調して対抗しなけれ
ばならないという文言を共同声明に明記した意義の大きさを考えていた
だきたい」と語り、日本を含む各国経済のファンダメンタルズ(基礎的
諸条件)とかけ離れた市場の動きを強くけん制した。
共同声明では「中国の財政措置と柔軟な為替レートへの移行」が人
民元の実効ベースでの増価と中国経済や世界経済全体の成長促進に寄与
するとの考えが示された。これに対し、白川日銀総裁は「シングルアウ
トして中国経済に期待するという議論はなかった」と説明した。
18、19の両日開かれる金融政策決定会合について、白川日銀総裁は
「経済の現状、金融の現状について大変厳しい認識を持っている。前回
の会合以降のデータを踏まえて議論してきたい」と述べるにとどめた。
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