◆医療
なるほどり 医師不足と言われるけれど、どうしてなの?
記者 県内の人口10万人当たり医師数は190人(全国33位)で、全国平均を下回っています。特に産婦人科や外科など激務と言われる診療科目勤務医が減っています。医者の臨床研修制度が04年に変更され、研修先を自由に選べるようになったことが挙げられます。
Q 県はどんな対策を打っているの?
A 県は医師確保対策事業に08年度のほぼ2倍の5億1827万円を盛り込みました。07年度が9275万円だったので、この2年で約5倍に増えた計算です。目玉は、県が信州大医学部(松本市)に金を出す「地域医療推進学講座」の設置です。選任の医師2人が、厳しい状態が続く地域病院の医療を確保するための研究や、医師や医学生が集まりやすくするため、信大の教育カリキュラムのあり方などを研究するそうです。
Q これまでの成果はどうなの?
A 「好調」と言えそうなのが07年度に始めた「ドクターバンク制度」。病院の求人と医師の求職を仲介するマッチング制度で、これまでに医師25人が県内医療機関に着任しました。医学生対象の修学資金制度も好評で、新年度は医学生56人が利用する見通しです。しかし、依然として医者不足は続きます。
Q 解決策はないの?
A 県の施策だけで解決するのは難しい状況です。国レベルで、医師の研修制度や医療費の問題を話し合わないと、根本的な解決はできません。村井仁知事も「医療費については県は何も手を触れることができない」と嘆いています。=つづく
毎日新聞 2009年2月18日 地方版