【ニューデリー栗田慎一】国連アフガニスタン支援ミッション(UNAMA)は17日、08年の戦闘による民間人犠牲に関する報告書を発表。死者は、同国で「対テロ戦争」が始まった01年以降最悪だった07年より4割増え、2118人に上ったという。オバマ米政権は駐留米軍を増派して戦闘を強化する方針だが、報告書は「軍事的対立が激しくなるにつれ市民の犠牲が増えている」と強い懸念を示した。
報告書によると、死者のうち55%がタリバンなど反政府勢力による攻撃が原因とし、39%は米軍の空爆などによる犠牲だった。
このうち、西部ヘラート州で昨年8月にあった米軍の空爆では「子供62人を含む市民92人が死んだ」と断定し、「市民の死者は33人」とした米軍の再調査結果を真っ向から否定。同月は「月間死者数としては最悪の340人だった」という。
カルザイ・アフガン大統領は「戦闘だけでは平和は来ない」としてタリバンとの対話を始めたが、オバマ米政権のアフガン・パキスタン問題担当のホルブルック特別代表はタリバン敵視策の強化を公言している。
毎日新聞 2009年2月17日 21時37分(最終更新 2月18日 5時24分)