村上春樹氏(60)は、2月15日、イスラエルで行われた世界的な文学賞エルサレム賞(1963年に創設)の授賞式後のスピーチで、ガザ侵攻の非人道性を極めて厳粛な態度で批判した。 この賞は過去に、バートランド・ラッセル(イギリス)、ホルヘ・ルイス・ボルヘス(アルゼンチン)、アーサー・ミラー(アメリカ)などが受賞した、今や世界的な権威となりつつある文学賞だ。 スピーチの中で、村上氏はパレスチナを「壊れやすい卵」に例え、イスラエルを壁に擬えた。その上で、「私はどんなに壁が正しく、どんなに卵が間違っていても、卵の側に立つもの」ときっぱりと語った。その表情からは、文学賞を受賞した喜びよりは、イスラエルの市民の潜在意識の奥にある人間の良心に訴えかけるという祈りのような思いが強くにじみ出ていた。 世界中の注目を集めるイスラエルとパレスチナのいつ果てるともない諍いは、61年前(1948)のイスラエル建国時から始まった。その後、先祖伝来の土地を奪われたパレスチナの人々は難民となり、エレサレムに建国の夢を果たしたユダヤ教徒の人々と激しく対立し、暴力の連鎖が繰り返されることになった。 戦争の前では文学は無力かもしれない。しかし村上春樹氏の文学が世界中の言語で翻訳され、ヘブライ語や英語で、イスラエルの人々がこれに癒しと共感を覚え、優れた文学として、最高の賞を与えたことは事実だ。 日本の一部のファンたちからは、国際的な非難が起きているガザ侵攻を続けるイスラエルから村上氏が賞を受けるのは適切ではない、辞退すべきでは、という声が湧き上がっていたと聞く。しかし村上氏は、その声の遙かに上を行く思考をもってこの賞を受賞し、きっぱりとイスラエルの軍事行動を批判したことは称賛に値する態度だった。イスラエルの人々の良心に、彼の深いメッセージが伝わることを祈りたい。 |
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