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実は、黒いThinkPadには、「黒くない」前史がある。1989年の「PS/2
Model P70386」は、大和研究所から初めて世界に向けて送り出されたポータブルPCだ。収納時は小さなスーツケースほどの箱を立てた状態で、開くと中にディスプレイが、蓋の内側にキーボードが現れる。重さは9・4kgもあった。そこからトランスポータブルと呼ばれるポーターブル↓ノートブックへの道のりが始まった。
1990年にはラップトップ型の「PS/55 Model5535-S」(重量6・8kg)が、1991年には「PS/2 ModelL40
SX」(重量3・5kg)が登場する。この頃は、当時のオフィスマシンに準じた白い筐体が採用されている。
最初の黒いノートPCは、1991年3月に発表された「PS55 note 5523-S」だ。これはIBM初のA4サイズのノート型PCで、ラップトップ型のモデル5535-Sと同じキーのサイズと数、レイアウトを実現した日本独自の製品だった。重量も2・6kgと、実際にモバイルコンピューティングが可能なレベルだ。 |
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