【北京=峯村健司】東大大学院に留学中の98年、一時帰国した中国で国家分裂扇動などの容疑で逮捕され、投獄されていた新疆ウイグル自治区出身のウイグル人男性、トフティー・トゥニヤズさん(49)が10日、11年の刑期を終えて釈放された。支援者が明らかにした。今後も当局の監視下に置かれるとみられる。トフティーさんは出迎えた親族とともに、自治区西部にある自宅に向け警察車両で移送された。
妻のラビヤさん(45)は長男(19)、長女(11)とともにさいたま市に住む。「逮捕当時4カ月だった長女は父を覚えていない。声だけでも聞かせて欲しい」と話している。トフティーさんが早く戻れるよう日本政府にも支援を求めるという。
トフティーさんは同自治区カシュガル出身で、ウイグル民族史を研究。一時帰国していた98年2月、公文書館で資料をコピーしたことや出版予定の書籍の内容が国家分裂扇動などの罪に当たるとして懲役11年の判決を受けた。