フグ(河豚)
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成分 アンコウ フグ ヒラメ タチウオ(切り身) シロキス
カロリー 87kcsl 86kcal 92kcal 132kcal 96kcal
タンパク質 18.7.g 20.0g 19.1g 18.0g 19.2g
脂質 0.8g 0.1g 1.2g 5.9g 1.5g
カルシウム 7mg 25mg 15mg 12mg 15mg
0.1mg 3.0mg 0.5mg 0.6mg 1.0mg
ビタミンA 100IU 50IU 40IU
ビタミンB1 0.04mg 0.05mg 0.10mg 0.14mg 0.01mg
ビタミンB2 0.16mg 0.20mg 0.20mg 0.13mg 0.15mg
ナイアシン 5.0mg 4.0mg 7.0mg 3.0mg 4.0mg
カリウム 300mg 390mg 420mg 270mg 400mg
リン 180mg 240mg 200mg 150mg 190mg
コレステロール 35mg 0.1mg 65mg 80mg 100mg

偽物 トラフグに偽装されることが多いのが、韓国産マフグで、市場では通称「ナメラフグ」。
それを[下関産の本フグ]と言われると、分からない。
(吾妻博勝著「鯛という名のマンボウ アナゴという名のウミヘビ」p120)
フグ毒 ◎1909年、田原良純博士はフグの卵巣から粗毒を分離して『テトロドキシン』と名付けた。
◎1964年、津田恭介教授が、テトロドトキシンの複雑な構造を発表。
◎神経の軸索に生じる活動電位は、細胞の外側から内側へナトリウムイオンが流れ込むことによって生じる。
テトロドトキシンはこのナトリウムが流れ込むナトリウムチャンネルといわれる通路をふさいでしまう。其の結果、活動電位が発生出来なくなり(信号が止まってしまう)、筋肉が麻痺する。
テトロドキシン 細胞のNaチャンネルブロッカーであり、食後30分くらいから口唇と舌の知覚鈍麻から始まり、次第に知覚麻痺と骨格筋の運動麻痺が進行し、最終的には呼吸筋麻痺で死亡する。
・人工呼吸管理で救命すれば予後良好。
・死亡する間際まで、意識はハッキリして、心機能も正常であることが多い。
中毒
症状
l食後30分〜4時間半の間に、口唇・舌のしびれに始まり、
mしだいに、指や手足も麻痺し、脱力感・歩行困難。
n重症になると、呼吸困難から死に至る。但し意識ははっきりしている。
○フグ毒は骨格筋を麻痺させるので、自発呼吸出来なくなって死に至る。
○8時間以降の死亡例はない
手当 フグ毒にあたると、最初に吐き気を催し、口の周りがシビレるそうですが、フグ毒が命に関わるのは筋肉の麻痺によって呼吸が出来なくなるからです。
古来の民間療法で、「フグ中毒は首から下を砂に埋める」というのはある程度正解。呼吸は肋骨の間にある肋間筋が肋骨を引き上げ、横隔膜が緊張して、ともに胸腔内を陰圧にするように作用して肺を膨らませて行われます。フグ毒で麻痺するときは、肋間筋は横隔膜筋より弱いために先に麻痺してしまいます。
このような状態では、空気を吸い込むために横隔膜が働き胸腔内が陰圧にあると、肋骨の引き上げが出来ずに胸がへこんでしまう「シーソー呼吸」と呼ばれる状態になり、肺が膨らまないために換気が出来ません。そこで砂に埋めて、胸膈が動かないようにすると、横隔膜だけの動きで細々と膨らみ、なんとか呼吸出来るのです。運良く毒素が解毒出来れば一命をとりとめます。もっとも、現代では、人工呼吸器がありますから、ご安心を。
(橘滋国著「シビレを感じたら読む本」)







“フグ毒というのは誠につかみどころがない、魔訶不思議な毒なんです”肝や卵巣に多いフグ毒の主成分は「テトラドトキシンと呼ばれる炭素・水素・窒素・酸素から成る有機化合物」。その毒性は“青酸カリの1000倍、サリンと同じくらい”と猛毒だ。ところが、“同じフグの肝を同時に食べても当たる人と当たらない人がいるんです”そこで北濱さんは肝の一部を調べるのでなく、何カ所か同時に検査する[6点法]といういフグ毒検査法を日本で初めて考案した。
  もう一つ北濱さんの大きな研究成果は、73年、『両性フグ』の発見である。“フグ中毒死した人の鑑定を依頼されたとき、無毒のはずの白子を食べている人が多かったんです。おかしいと思い詳しく調べてみると、白子と卵巣がくっついた両性フグが存在することが分かったんですよ”
ある時期、大学研究者が「ある種類の養殖フグは無毒」と発表したことがあったが、北濱さんは反論した。“フグ毒は獲れる場所・時期・魚体の成長度でも全然違うことがある。学問のための学問で、軽々しい断定は断固すべきでない”と言う。
 “東京湾には皮20gで死ぬフグもいる”のである。
北濱喜一・フグ料理店「喜太八」3代目社長。日本ふぐ研究会会長。
Quark.NO166.P25より




●劇物
養殖漁業の切り札として期待され、生産量を急増させているトラフグに、寄生虫を駆除するため、発ガン性が確認された劇物ホルマリンが、少なくとも全国11県、全体の約4割で使用されていたことが厚生省の調査で明らかになった。
フグは、タイなどに比べてエラに寄生虫がつきやすく、やせ細って死ぬことが多い。いつ頃からかは不明だが、いけすでホルマリンの希釈液に浸して駆除する方法が全国に広がった。多くの場合、使用後の希釈液はそのまま海に流されている。
真珠の母貝アコヤガイの大量死が96年前後、全国的に発生。ホルマリンとの関係を指摘する声があり、厚生省は1997年3月までに3ヶ月をかけて調査した。
ホルマリンは、植物プランクトンや貝類などへの悪影響が実験で確認されているが、長期間、垂れ流された場合の自然界への影響は分かっていない。
ホルマリンは、毒性や発ガン性が指摘される劇物であるにもかかわらず、食品となる養殖への使用に法的規制がない

■2003年7月薬事法改正
発ガン性の恐れがあるホルマリンの使用が正式に禁止された。そのため、トラフグの陸上養殖が広がり始めた。いけすに毎日海水を運んで濾過、殺菌した後、淡水を混ぜて使う。この方式だと、エラに付着する寄生虫『ヘテロボツリウム』が繁殖しないという。



長崎県のトラフグ養殖業者の6割が発ガン性を指摘され使用を禁じられているホルマリンを使用していた問題で、新たに香川・大分・熊本の3県でも寄生虫駆除の目的などで使っていたことが、2003年5/8分かった。香川県によると、高松市内の1業者が寄生虫対策で約8000匹にホルマリンを使用していた。使用量は2002年度が39リットル。
各県が実施した業者への聞き取り調査では、2001年以降、長崎県の95業者のほか、熊本、香川、大分の3県でも使用していた。」

「長崎県は2003年9/27、同県鷹島町の鷹島阿翁漁協(坂谷国博組合長)が9/29日からホルマリン使用のトラフグを出荷すると発表した。8月に出荷停止が解除されて以来初めての出荷。県と同漁協による残留検査ではホルムアルデヒド(ホルマリンの主成分)が検出されなかった。県水産振興課によると、署に津は数百匹を取引業者に直接出荷する。県内のホルマリン使用フグの約7割を保有する同漁協の出荷再開で、他の漁協でも出荷の動きが加速しそうだ。
毒なし 1983年からフグの肝臓は食用として販売することは禁止されている。2007年3月東京都内でフグを食べる会で野口玉雄・東京医療保健大学教授は「こわごわ食べる必要はない。フグはエサの貝やヒトデから毒を取り込む。有毒なエサを与えずに育てたら肝臓も無毒になる」と説明。これまでに養殖した6000匹知覚を追跡調査し、毒を持つものはいなかったという。20074/8日本経済新聞
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