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「トロロの家」全焼、放火の可能性も

 14日午前2時半ごろ、東京都杉並区の「トトロの家」と呼ばれる空き家から出火、全焼した。周辺では今年1月から不審火が相次いでおり、警視庁杉並署は放火の可能性もあるとみて、詳しい出火原因を調べている。この家はアニメ映画監督宮崎駿氏(68)の作品「となりのトトロ」に登場する不思議な生き物「トトロ」が住んでいそうな家として、宮崎氏本人が著書で認定した家。杉並区が昨年、地権者から購入し、公園として整備する計画だった。

 近隣住民に親しまれた「トトロの家」が全焼した。杉並署や東京消防庁によると、14日午前2時21分、家に設置された煙と侵入を感知する防犯センサーが作動し、警備会社から110番通報があった。署員が駆けつけると、すでに敷地奥側の玄関周辺で煙と炎が上がっていたという。消火活動は約2時間続き、午前4時23分、鎮火した。木造平屋約70平方メートルを全焼。けが人は出なかった。現場には火の気はなく、杉並署では漏電などによる火災と、放火の両面で捜査している。

 この家は宮崎氏が、トトロの住んでいそうな民家を数軒紹介した91年の著書「トトロの住む家」(朝日新聞社)の中で「たからもの」と評した昭和の懐かしい雰囲気を残す建物。家の道路側の壁は焼け残ったが、敷地奥の玄関側の外壁と屋根は焼け落ちた。侵入と煙の感知が同時だったことなどから、何者かが侵入を試み、敷地奥の玄関側で放火した可能性がある。杉並署によると、灯油やマッチの燃えかすなどはこれまで、発見されていない。

 近隣住民によると「これまで治安が良かったのに、今年の正月から近くの複数の公園で十数件の不審火が相次いでいた」という。「トトロの家」から約50メートルの公園でも1月上旬に大量のマッチ棒の燃えかすと、焦げた枝切れなどが発見されていた。町内会や消防団、消防、警察で夜間の巡回を行ってきたが、町内会などの巡回を数日前に打ち切った直後の全焼だった。

 近隣住民らによると、「トトロの家」は、デザイン関係の教員を務めていた近藤英(えい)さん(83)の叔父で画家だったという男性が、29年に建て、住んでいた。叔父の死後は近藤さんが住んでいたが、高齢などから、07年に隣に転居。借地権を地権者の神社に返し、家の権利も神社に譲渡していた。その後、取り壊しのうわさが浮上したため、近隣住民が08年春に約6500人分の署名を集め、現状保全を杉並区に申請。同区が昨年、隣接駐車場を含めて約4億6000万円で神社から買い取り、「阿佐谷北公園」として、来年開園する計画だった。

 [2009年2月15日9時31分 紙面から]


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