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話題:医師らが現場で応急処置 豊平消防団に全国初の医療専門チーム

松本団長から任命証を受け取る鈴木医師=札幌市豊平消防署で13日、和田浩幸撮影
松本団長から任命証を受け取る鈴木医師=札幌市豊平消防署で13日、和田浩幸撮影

 札幌市豊平消防団(松本吉正団長、団員193人)は13日、医師や看護師など計7人で構成する医療専門チーム「メディカルサポート隊」を発足させた。市消防局によると、火災や救急現場での応急処置を任務とする医療関係者の専門チームは全国の消防団で初めての取り組みとなる。

 隊員に任命されたのは札幌市豊平区で医療法人「緑の街診療所」を運営する鈴木研一医師(50)のほか、診療所の看護師や薬剤師ら6人の計7人。この日は豊平消防署(同区)で発隊式があり、松本団長が鈴木医師に任命証を手渡し、「医療知識を生かして消防署の活動をサポートしてほしい」と激励した。

 豊平消防署によると、昨年1年間の管内の救急車と消防車の出動件数は計7969件。地区ごとに6分団に分かれている豊平消防団もこのうち50~60件の現場に出動している。今回のサポート隊の活動範囲は豊平区全域。火災に限らず事故などの同署からの情報を携帯電話のメールで受信し、緊急度に応じてボランティアで現場に駆け付け、応急処置にあたるという。

 救急医の経験を持つ鈴木医師は「地域の医師が直接現場に行くことで、(搬送先の)医師が診察するまでの時間が短縮できる。(また、けがの程度を現場で判断することで)負傷者搬送にかかるコスト削減も期待できる」などと語った。

 鈴木医師が約10年前から市消防学校救急救命士養成所の講師を務めている関係から、今年1月から消防団に参加していた7人。今回、活動の場を広げることになるが、若者が敬遠するなど全国の消防団員数が減少する中、市消防局の松井英樹局長は「感謝している。消防活動への協力のほか、職員への指導もしていただけたら」と話していた。【和田浩幸、写真も】

    ◇

 消防団 消防組織法に基づき、各市町村単位で設置されている。他に職業を持つ一般市民が非常勤の公務員として入団する。入団資格は各市町村の条例で定められているが、18歳以上で消防団管轄内に居住しているか、などが一般的。活動内容は主に、常勤の消防署員が行う消火や救助の後方支援。全国の消防団員数は右肩下がりで、90年に99万6743人と、初めて100万人台を割り込み、08年4月現在では88万8900人にまで減少している。

毎日新聞 2009年2月14日 2時11分

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