奈良放送局

2009年2月12日 23時12分更新

県コーディネーター制度廃止


救急車を呼んだ妊婦が12の病院に受け入れを断られた問題を受け、奈良県が導入していた救急隊などに代わって専門家が妊婦の受け入れ先を探すコーディネーターの制度は、コーディネーターをつとめる医師がいないなどの理由でほとんど利用されないため、3月で廃止されることになりました。
奈良県では、救急車を呼んだ妊娠中の女性が12の病院に次々に受け入れを断られた問題をきっかけに、救急隊や医療機関に代わって医師や看護師など周産期医療の専門家が搬送先の病院を探す「コーディネーター」の制度をおととし11月から導入しています。

しかし、コーディネーターに応募する医師がいないことや制度の運用が土曜と日曜に限られているため、救急隊や産婦人科の医師によるこの制度の利用率は去年1年間で重症の妊婦の救急搬送の3%にとどまっているということです。

しかもコーディネーター役の医師を新たに確保できるメドはまったく立たないということで、この制度を3月末で廃止することを決めました。

コーディネーターの制度は大阪府などで導入されていますが、奈良県によりますと、制度の廃止は
全国で初めてではないかということです。

奈良県は「コーディネーター制度をはじめるにあたり、医師不足からうまくいかないという指摘を受けていたが、救急車を呼んだ妊婦が病院に断られるケースが相次ぎ、県として何かせざるをえなかった。新たな仕組みを早急に検討したい。」としています。