暴走タクシー大逃走、最後は激突！大破逮捕

　乗客を乗せていながら信号を無視、さらにパトカーの停止命令も無視して逃走、揚げ句の果てに駐車場へ突っ込んでようやく止まるという“暴走タクシー”がナニワの街を大騒動に巻き込んだ。幸いにもけが人はなかったが、運転していたタクシー会社「ワンコインドーム」（大阪市西区）の運転手、戸田寛道容疑者（６４）が１１日、大阪府警西成署に道交法違反（信号無視）の現行犯で逮捕された。

　西成署によると、戸田容疑者は１１日午前１時４５分ごろ、飲食店経営の女性客（６４）を載せてタクシーを運転中、同市西成区玉出西の府道交差点で赤信号を無視した疑い。

　現場を通りかかった同署のパトカーが、阪神高速道路高架下の道で信号無視してＵターンする戸田容疑者のタクシーを発見。停止を呼びかけたが、戸田容疑者は無視。そのまま逃走を始めた。

　戸田容疑者はすぐに脇の細い道に入り「かなりのスピード」（同署関係者）で逃げ切りを図るが、約４００メートル走ったところでＴ字路を右折しようとして曲がりきれず正面の駐車場に突入。鉄製フェンス（高さ約２メートル）をなぎ倒し、さらに駐車中の乗用車２台とミニバイク１台に接触した。タクシーは左前部が大破、タイヤもパンクして動けなくなり、戸田容疑者もようやく“観念”した。

　戸田容疑者は高速に入ったばかりだったが、１区間走行したところで降りてＵターンしていた。「女性客は戸田容疑者の常連で、女性客に渡す物を会社に忘れたため、断って戻ろうとしていたようだ」と同署関係者。とはいえ、女性客もカーチェイスは“想定外”だったのか、「ビックリして（戸田容疑者に）何も言えなかった」と話していたという。

　戸田容疑者は逃げた理由について、「運転免許の点数を減点されると免停になるので逃げた」と供述。ちなみに赤信号を無視した場合の普通車の減点は２点。反則金は９０００円だが、それ以上に高くついたことはいうまでもない。