「大根、あまーい!」
「いや、美味しいけど」
「うん、美味しいけど……」
「うーん?」
ダイコン料理は、美味しかったけれど、ものすごいインパクトがある食べ物ではなかった。
あくまで上品。組み合わせる材料によって、まったく味が変わってくる「よりそい系」の味。
いや、今までだって日常的にダイコンを食べてきたのだし、そんなことは軽く予想出来たはずなのだが……期待しすぎてしまったんだろうか。
「なんか結果的にだけど、『さくら水産』でちょっと先に食べておいたのって、正解だったかもね」
「うん。先に『升本』に入れても、『さくら水産』に帰りに寄っちゃったかもしれないなあ……」
亀戸の駅まで、フラフラ帰る。「もう、しばらくは、ここ来ないだろうなあ」と思いながら歩いた。
ちなみに風邪は……まだなおってません。 |