《月と縞馬》 1954(昭和29)年 個人蔵 © KAYAMA Inc.
《月と縞馬》 1954(昭和29)年 個人蔵 © KAYAMA Inc.

第1章 動物たち、あるいは生きる悲しみ

様式化の試み

加山は戦後まもなく、一連の動物画を描いています。ラスコーの壁画から、未来派、シュールレアリスム、そしてブリューゲルまで幅広く西洋美術から影響を受けています。その全体に共通する強い様式性に注目するならば、それは一方で伝統的な日本絵画とも深くつながっています。図案家のうちに生まれたせいか、物の形だけでなくその精神までも様式化することに熱中すると加山は語っています。沈黙に包まれた静寂な空間の中で、動 物たちは「生」という一点に向って神経を研ぎ澄ませているようです。

《冬》 1957(昭和32)年 東京国立近代美術館蔵 展示期間:2月11日〜3月2日 © KAYAMA Inc.
《冬》 1957(昭和32)年 東京国立近代美術館蔵 展示期間:2月11日〜3月2日 © KAYAMA Inc.

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