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ヘリ墜落 電線接触 1万7000戸停電

2009年02月11日

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墜落し、横転したヘリの機体を調べる警察官=みなかみ町

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 10日午前、みなかみ町小川の雑木林にヘリコプターが墜落した事故は、搭乗していた男性2人が重傷を負ったほか、送電線が切れて同町周辺の最大約1万7千戸が4時間にわたって停電した。経験豊富な操縦士が操るヘリが、なぜ送電線に接触したのか。国土交通省の運輸安全委員会は調査官2人を現地に派遣。沼田署も業務上過失傷害の疑いで捜査している。(別府伸治、大井穣、木下こゆる)

 沼田署の調べでは、ヘリが事故現場付近に差し掛かったのは10日午前9時55分ごろ。東電の送電線の巡視中にJRの送電線に接触し、地上約20メートルの高さから墜落した。主翼が機体から数十メートル先まで吹き飛んだ。
 搭乗していた男性2人は、いずれも腰の骨を折るなどの重傷を負った。新日本ヘリ所属の操縦士安東広壮さん(35)=千葉市花見川区=は飛行時間1616時間と経験豊富。東電社員の金子伸久さん(52)=沼田市高橋場町=も巡視活動に34年間も携わるベテランだった。

 現場近くで道路工事をしていた沼田市の作業員原沢内匠(たくみ)さん(40)は、ヘリの墜落に気づき、現場に駆けつけた。「大丈夫か?」。ヘリの脇で横たわっていた2人に声をかけると、「大丈夫です」と返事が返ってきたが、2人とも手や額から血を流していたという。

 事故は群馬、新潟両県の広範囲に影響した。東京電力群馬支店などによると、ヘリの接触で切断されたJRの送電線が、直下を通っていた東電の送電線に触れてショートし、双方の送電がストップ。沼田市、川場村、みなかみ町の約4割にあたる1万1700戸、新潟県湯沢町などの5300戸が一時停電した。

 鉄道や道路にも影響が及び、鉄道はJR上越線水上―土樽間で約2時間半にわたって運転を見合わせた。道路でも、みなかみ町内の21カ所で信号機が点灯せず、県警交通機動隊などの30人が赤色棒を使って交通誘導に当たった。

 沼田署管内にある7カ所のスキー場ではリフトやゴンドラが停止し、約800人に影響が出た。このうち谷川岳ロープウエーではスキー客二十数人がゴンドラなどに閉じこめられた。非常時の予備原動機で宙づり状態を解消したという。猿ケ京温泉では源泉のくみ上げポンプが止まった。

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