民主党の岡田克也副代表が、自民党政務調査会首席専門員の田村重信氏の著書で名誉を傷付けられたとして、田村氏に1100万円の賠償を求めた訴訟の控訴審で、東京高裁(渡辺等裁判長)は5日、請求を棄却した1審・東京地裁判決(08年3月)を覆し、110万円の支払いを命じた。
問題となったのは、田村氏が07年4月に出版した「民主党はなぜ、頼りないのか」。岡田副代表が通産官僚当時、父親が経営する大手流通企業に便宜を図ったとする疑惑を掲載したが、渡辺裁判長は「事実とは認めがたい」と結論付けた。1審判決は「疑惑の存在を指摘するにとどまり、論評の域を逸脱しない」と判断していた。
毎日新聞 2009年2月5日 20時31分