関西で活動するミュージカル劇団「月桃(げっとう)の花」歌舞団が11日、大阪市立もと飛鳥人権文化センター(東淀川区東中島3)で、崩壊する医療現場と拡大する非正規雇用をテーマにしたミュージカル「ポロロッカ-ぼくらは生きている」をプレ公演する。
劇は、地方都市の市民病院で、非正規の看護助手として働く25歳の日系ブラジル人女性と日本人女性が主人公。医療崩壊の波が病院に襲いかかり、貧困に苦しむ患者は追い出され、医者は過労で倒れる。看護助手の業務もコスト削減のため競争入札にかけられることが決まり、低賃金で重労働をしてきた2人は闘うことを決意する。脚本を書いた原清志さんは現役の医師。自らが身を置く医療現場を舞台に選んだ。また、個人加盟の労働組合が日系人労働者向けに開いている労働相談会を取材。製造業の派遣労働者として働き、現在は深刻な失業に苦しむ日系人労働者から聞き取りして現実味を強めた。
垣内由香団長は「失業者が大量に出る時代でも、あきらめずに声を上げることで世の中が変わることを伝えたい」と話している。
上演は午後4時。入場料500円。4月26日に高槻現代劇場(高槻市野見町)で本公演する予定。問い合わせは06・6762・7403。【日野行介】
毎日新聞 2009年2月10日 地方版