大手ゼネコン「鹿島」(東京)などがキヤノンの大規模工場建設プロジェクトで十数億円の裏金を作っていた問題で、キヤノンの御手洗冨士夫会長の知人の社長(65)が経営する内装工事会社「ライトブラック」(LB、大分市)に裏金の一部が渡っていたことが分かった。東京地検特捜部は9日、同社がこの裏金などの所得約9億7600万円を隠し、法人税約2億9200万円を脱税していた疑いが強まったとして、裏金工作の受け皿になっていた大阪市のコンサルタント会社「浪速コンサルタント」社長の難波英雄容疑者(61)ら5人を法人税法違反容疑で逮捕した。
LB側はキヤノン関係の工事をあっせんした謝礼の趣旨で鹿島などからの裏金を受け取ったという。特捜部は近く、LBの社長らからも事情を聴き、キヤノン関連工事を舞台にした不透明な資金の全容解明を目指すものとみられる。
逮捕されたのは、難波容疑者のほか、いずれも会社役員の高山光照(43)、山本憲治(58)、新崎景一(51)、中出光三(43)の4容疑者。
難波容疑者らは、LB社長らと共謀し、同社が鹿島などから受け取った裏金などを申告しなかったほか、架空の業務委託費を計上するなどして、06年5月期までの2年間に同社の法人所得約9億7600万円を隠し、約2億9200万円を脱税した疑いが持たれている。