がん緩和ケアコーナー　浜松市中央図書館に設置

　がん対策の「緩和ケア普及のための地域プロジェクト」の一環で、浜松市中区の市中央図書館に３日、緩和ケアコーナーが設置され、１００冊の貸し出しを始めた。

　同プロジェクトは、２００６年に制定されたがん対策基本法などに基づく厚生労働省の委託事業で、「死が前提」ととらえられがちな緩和ケアについて早期着手や在宅ケア拡大などを研究。浜松市と長崎市、山形県鶴岡市、千葉県柏市周辺の４カ所が選ばれ、昨年４月から３年間実施する。

　浜松では北区の聖隷三方原病院を中心に１４０の病院、診療所、福祉施設などが参加。医療従事者の連携、出張診療、普及活動などを実施している。

　図書は昨年末、同図書館に寄贈され、がんや緩和ケアの入門書、闘病記に加え、絵本や小説もある。市内２１カ所の図書館、分室にも順次、１００冊ずつ寄贈される予定。

　同病院緩和支持治療科の野末よし子さんは「がんを告知された時の心理的なつらさ、化学療法の副作用など、さまざまな場面で緩和ケアを受けられることを知ってほしい」と話している。（西山和宏）