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シー・シェパードに「音のビーム」 捕鯨船が海賊対策の装置を初使用

2009.2.7 19:29
このニュースのトピックス捕鯨
調査捕鯨船団に対して信号弾のようなものを発射するシー・シェパードの抗議船スティーブ・アーウィン号=2月5日、南極海(日本鯨類研究所提供)調査捕鯨船団に対して信号弾のようなものを発射するシー・シェパードの抗議船スティーブ・アーウィン号=2月5日、南極海(日本鯨類研究所提供)

 南極海で過激な捕鯨妨害を続ける米環境保護団体シー・シェパード(SS)に対し、日本の調査捕鯨船団が、音波を大音量で浴びせる長距離音響発生装置(LRAD)を使用していたことが7日、わかった。ソマリア沖の海賊撃退にも使われているLRADが、捕鯨船団に装備されるのは初めて。SSは、LRADの放射を直接浴びやすい高速ゴムボートでの接近をあきらめ、抗議船そのもので捕鯨船へ体当たりする攻撃スタイルに切り替えており、南極海では依然、危険な状態が続いている。

 LRADは、人間に不快な周波数の音波を放射する直径80センチほどの円盤型の装置。相手を傷つけずに、攻撃意欲を失わせることを目的に開発され、耳をつんざくような“音のビーム”で相手の接近を阻止する。近年、民間船舶も装備し、ソマリア沖での海賊撃退にも成功例があるほか、米国などの治安部隊が暴徒を鎮圧する際にも使用している。

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 日本の水産庁は「船団の安全を考え、詳細は言えない」としながらも、今回、船団に複数台のLRADを積んでいることを認めた。薬品入りの瓶を投擲(とうてき)しようと捕鯨船に接近するSSの高速ゴムボートに向け、2月から使用を開始。執拗(しつよう)な妨害を阻止することに成功しているという。

 SSは「軍用級の兵器で、民間人に用いるのは違法だ」と主張しているが、水産庁は警察庁などと事前に協議し、使用に際して国際法や国内法にも抵触しないことを確認した上で装備を決めており、「違法性はない」と反論している。

 SSのポール・ワトソン船長は6日、「この装置により、妨害活動に集中することが困難になったことを認めざるを得ない」との声明を出す一方、なおも捕鯨船団の近くで妨害の機会をうかがう方針を示している。(佐々木正明)

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調査捕鯨船団に対して信号弾のようなものを発射するシー・シェパードの抗議船スティーブ・アーウィン号=2月5日、南極海(日本鯨類研究所提供)
日本時間2月6日16時15時頃、スティーブ・アーウィン号が目視採集船第3勇新丸の左舷船尾側から体当たりしてきた瞬間(1)(日本鯨類研究所提供)
日本時間2月6日16時15時頃、スティーブ・アーウィン号が目視採集船第3勇新丸の左舷船尾側から体当たりしてきた瞬間(2)(日本鯨類研究所提供)
シーシェパード抗議船の体当たり攻撃により損傷した転落防止柵(日本鯨類研究所提供)
スティーブ・アーウィン号の体当たり襲撃によって損傷した目視採集船第3勇新丸の左舷船尾(日本鯨類研究所提供)
スティーブ・アーウィン号の体当たり襲撃によってなぎ倒された目視採集船第3勇新丸の左舷船尾ブルワーク(日本鯨類研究所提供)
スティーブ・アーウィン号の体当たり襲撃によって損傷した目視採集船第3勇新丸のデッキライトポスト(日本鯨類研究所提供)
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