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【疑惑の濁流】“謎のルート”で工作船の待つ日本海側へ? 浮かび上がる拉致の「点と線」 (3/4ページ)

2009.2.8 13:00
このニュースのトピックス疑惑の濁流

 調査会は男と接触を重ねた。

 「山梨を通って日本海側で富山方面に分かれる所から新潟へ行き、万景峰号に乗せた」「(藤田さんは)泣いていた」…。

 男はそう証言した。警視庁にも「藤田さんの拉致にかかわった」という趣旨の供述をしたという。その“拉致”ルートは、まさに「大町ルート」そのものだった。

 「だが…」と、真鍋副代表はトーンを落としながら言葉を続ける。

 「残念ながら、男の話の信憑(しんぴょう)性を裏付けるものは何もない。『大町ルート』はあくまでも仮説にとどまっている」

 古い話であり、警察の捜査でも、男の証言内容を今確認するのは不可能に近いためだ。

田口八重子さんは? 浮かび上がる“状況証拠”

 政府認定の拉致被害者の中にも、どこから連れ出されたか分かっていない被害者がいる。田口八重子さん=拉致当時(22)=だ。

 昭和53年6月、勤務先の東京・池袋の飲食店で知り合った「宮本明」を名乗る在日朝鮮人の補助工作員に「温泉に行こう」と誘い出されたとされている。

 「近く新潟へ旅行に行く」

 田口さんは拉致される少し前、飲食店の同僚に、こう話していたことが分かっている。新潟・佐渡島は、調理師をしていた田口さんの母の故郷でもあり、捜査当局が「田口さんは新潟で拉致された」との見方を強めた時期もあった。

 調査会に電話をしてきた男が関係していたという都内の病院。ここには、「宮本明」ががんで一時入院していたとされ、疑惑の「点と線」は、おぼろげながら拉致事件との関連性を浮かび上がらせている。

 だが、北朝鮮側は平成16年の日朝実務者協議で、「工作員が『(宮崎市の)青島海岸まで行こう』と田口さんを誘引した上で、青島海岸から田口さんを連れてきて、海州(ヘジュ)から入境した」と説明。

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加瀬テル子さん 
藤田進さん 
田口八重子さん

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