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【疑惑の濁流】“謎のルート”で工作船の待つ日本海側へ? 浮かび上がる拉致の「点と線」 (2/4ページ)
このニュースのトピックス:疑惑の濁流
調査会の真鍋貞樹副代表は「(『大町ルート』を使って)新潟、富山の在日朝鮮人が食肉や海産物などを車で運んでいた。ルート周辺には在日の人々が多く居住する地域もあり、大切なルートだっだ」と解説する。
北陸から新潟にかけての日本海側には、工作員の上陸ポイントが多数設定されていた。
「そこには工作員をかくまったりする『土台人』と呼ばれる協力者がいたはずだ」。拉致問題に取り組む関係者はそう指摘する。
在日朝鮮人らの中で工作員に目をつけられた人々が、北朝鮮にいる親族の安全と引き換えに工作活動への協力を強要されたことは、これまでの拉致事件の捜査や韓国での公判の内容で明らかになっている。
調査会によると、失踪者が行方不明となった現場が大町ルート上に重なるケースは、約150件にも上るという。
これは、調査会に情報が寄せられている失踪者約470人の約3割に達し、「偶然の一致」とするには確かに多すぎる。現場は関東に集中しているが、ルート途中の地方にも、失踪ポイントは多く点在する。
「このルートで拉致被害者が運ばれた可能性は捨てきれない」
真鍋副代表はそう語る。
調査会には、その“実証例”ともいえる証言が寄せられたこともあった。
「青年を新潟に運ぶのを手伝った」…ルートと符合する証言
平成16年10月末、調査会に一本の電話が入った。
「(千葉県内にある)病院の関連施設から新潟に運ぶのを手伝わされた。調査会が発表したあの青年だ。藤田さんだよ」
男は当時60歳ぐらい。北朝鮮と関係が深いとされる都内の病院関係者の運転手をしていたと自称したという。
調査会は電話に先立つ同年8月、昭和51年2月に埼玉県川口市の自宅からガードマンのアルバイトに行くと出かけたまま失跡した東京学芸大生、藤田進さん=同(19)=について、「拉致濃厚」と発表していた。