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山形知事選:保守王国で自民「敗北」 都市部でも不安視 

落選しあいさつする斎藤弘氏(右から二人目)と、うなだれる遠藤利明衆院議員(手前左端)ら=山形市の事務所で2009年1月25日午後10時45分、釣田祐喜撮影
落選しあいさつする斎藤弘氏(右から二人目)と、うなだれる遠藤利明衆院議員(手前左端)ら=山形市の事務所で2009年1月25日午後10時45分、釣田祐喜撮影

 山形県知事選で民主党など野党が支援に回った吉村美栄子氏が当選したのに対し、自民党執行部は26日、一様に国政への影響を否定した。だが、「保守王国」の山形県で、半数以上の市町村を吉村氏が制するなど党の弱体化が明白になったことで、次期衆院選や7月の東京都議選を控え、「風」に敏感な中堅・若手から今後の政権運営を危ぶむ声が出始めた。

 石原伸晃幹事長代理は26日の記者会見で「地域事情が相当あるのではないか。党として(斎藤弘氏を)推薦したわけではない」と強調。自民党が分裂した前回知事選のしこりの結果、地元選出参院議員や自民党県議の一部が吉村氏を支持したことが敗因との見方を示唆した。

 05年衆院選で自民党は県内全市町村で比例代表の得票率が民主党を上回った。しかし07年参院選では、35市町村のうち山形市を含む21市町で民主党が逆転した。現在の政治状況は自民党に逆風が吹いた07年参院選に近い。

 「知事選の結果は政権への批判」との見方に対し、麻生太郎首相は26日夕、首相官邸で記者団に「全然関係ないと思います」と素っ気なく否定した。しかし自民党内では「麻生降ろし」がくすぶっている。ある中堅議員は「都議選前に政局になるのではないか。予算を成立させて退陣した森政権とよく似てきた」と指摘した。

 民主党は「政権交代のチャンスは極めて高まってきた」と高揚感に包まれている。ただ、07年参院選で民主党の得票率が自民党より高かった21市町のうち、14市町では斎藤氏が吉村氏を上回った。両氏とも政党推薦を受けておらず単純には比較できないが、民主党への支持は流動的な面もある。

 07年参院選で自民党の得票率は33.5%、吉村氏を支援した民主、共産、社民3党は計49.7%だったが、それでも吉村氏51%、斎藤氏49%の大接戦になった。野党の「政権交代」には共産党を含めた選挙協力が不可欠で、今のところは「ムード先行」の印象も否めない。【中田卓二】

毎日新聞 2009年1月26日 22時38分(最終更新 1月26日 23時42分)

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