■詳細
総括
王JAPANが3度目の正直! ワールドベースボールクラシック(WBC)準決勝第2試合が19日(日本時間)、米国のペトコ・パークで行われ、日本が6−0と韓国を下した。1次リーグ、2次リーグで連敗を喫していた韓国と3度目の対戦で快勝した日本は、世界一をかけた決勝戦(21日、11時)でキューバと対戦する。
得点できないうっ憤を晴らしたのは福留だった。得点圏に走者を進めながらも0行進が続いた7回の日本の攻撃。先頭の松中がライトへの二塁打で出塁する。多村が送りバント失敗し、続く打席に立ったのは不調のためスタメンを外れていた代打・福留。メジャーリーガーのキム・ビョンヒョンのストレートを振り切った打球は、ライトスタンドへ飛び込む先制2ラン! この一打をきっかけに、日本打線が爆発した。小笠原が死球でつなぐと、里崎や宮本、イチローのタイムリーが飛び出した。7回は6長短打で一挙、5点を挙げた。8回には多村の今大会3本目となるソロ本塁打で加点した。過去、2試合の韓国戦と同様に、試合序盤は投手戦となったが、日本が集中打を見せて、韓国投手陣を打ち崩した。
この打線を引き出したのは先発・上原の好投だった。初回、1死二塁のピンチを抑えると、波に乗った。ストレートをコースに決めて、打者を追い込むと、フォークで打ち取る投球。特に調子のいいイ・ジョンボム、イ・スンヨプに自分のバッティングをさせなかった。結局、7回、86球、3安打、8奪三振、無四球で、今大会2勝目を挙げた。その後は薮田、大塚と万全の投手リレーで韓国打線を零封した。
投打ががっちりとかみ合い、WBCで3度目の対戦となった韓国に快勝した王JAPAN。自力での準決勝進出がなくなった状態から見事な復活で決勝に駒を進めた。この不屈の精神で、決勝は過去の五輪で何度も涙を飲んだ“赤い軍団”キューバに挑む。
1回表
・試合前に小雨が降り、12時20分に試合開始。韓国の先発マウンドに右腕ソ・ジェウンが上がる。
1:青木 初球から積極果敢に打ちに行くも、ピッチャーゴロ。 2:西岡 2ストライクから3球目、外角のチェンジアップに空振り三振。 3:イチロー 1ボールからの2球目、外角高めのストレートを強引に引っ張って、ライト前ヒット! 4:松中 2死一塁。初球、イチローが二盗に成功。得点圏に走者を進めたが、2ストライク1ボールからの4球目、外角のチェンジアップにバットを合わせるようなバッティングでサードゴロ。
・WBCで初めて3番に入ったイチローのヒットで、二塁まで走者を進めた日本だったが、後続が倒れて無得点に終わった。
1回裏
・WBCでは初めての韓国戦となる上原がマウンドに上がる。
1:イ・ビョンギュ 2ストライク1ボールからの4球目、フォークでレフトフライに打ち取る。 2:イ・ジョンボム 2ストライク1ボールからの4球目、高めに抜けたフォークを打たれて、右中間を破る二塁打となった。 3:イ・スンヨプ 1死二塁。2ストライク1ボールから5球ファウルを挟んでの9球目、高めのボール気味のストレートで空振り三振。 4:チェ・ヒソプ 2死二塁。2ストライク1ボールからの4球目、フォークが股間を抜けるパスボール。イ・ジョンボムが三塁へ進む。続く5球目、真ん中低めのストレートでファーストゴロに打ち取り、ピンチを切り抜けた。
・上原、三塁に走者を背負うも、無失点に抑える。ただイ・スンヨプに粘られたこともあり、球数は22球と多かった。
2回表
5:多村 1ストライクからの2球目、チェンジアップを引っ掛けてショートゴロ。 6:今江 2ストライクからの3球目、スライダーを打ってサードゴロ。 7:小笠原 1ストライク1ボールからの3球目、内角低めのスライダーを引っ張って、ライトフライ。
・日本、ソ・ジェウンのコントロールのいい投球に戸惑い、ヒットを打てず。
2回裏
5:イ・ジンヨン 2ストライク2ボールからの5球目、チェンジアップを打たせて、セカンドゴロ。 6:イ・ボムホ 2ストライクからの3球目、外角のフォークでセカンドゴロ。 7:パク・ジンマン ボール先行の投球だったが、フルカウントからの6球目、143キロのストレートで空振り三振に打ち取った。
・上原、2回は14球で3者凡退に打ち取る。
3回表
8:里崎 2ストライクから1球ファウルを挟んでの4球目、真ん中低めのストレートを引っ張るもショートゴロ。 9:川崎 初球、セーフティーを空振り。2球目、真ん中のストレートを引っ張って、ワンバウンドでライトフェンスを直撃する二塁打! 1:青木 1死二塁。ボールが4球続いて、四球。 2:西岡 1死一、二塁。1ストライク3ボールからの5球目、外角のストレートを左方向に打ち返し、痛烈な打球もサード正面のライナー。一走の青木も戻れず、併殺打。
・日本、走者をためるも不運な当たりでチャンスを生かせず。
3回裏
8:チョ・インソン 2ストライクからの3球目、外角低めのストレートで見逃し三振。 9:キム・ミンジェ 初球、ストレートを打って、ライトフライ。 1:イ・ビョンギュ 2ストライク2ボールからの5球目、外角高めのストレートでサードゴロに打ち取る。
・上原、チャンスを逃した後のマウンドだったが、気落ちを見せず、9球で3者凡退。3回までの球数は45球。
4回表
3:イチロー 2ストライク2ボールからの6球目、チェンジアップでボテボテのセカンドゴロ。しかしイチローは俊足を生かして、内野安打とした。 4:松中 無死一塁。3ボールからの4球目、イチローがこの日、2つ目の盗塁を成功させる。その後、フルカウントから真ん中のチェンジアップにタイミングを外され、サードファウルフライ。 5:多村 1死二塁。初球、チェンジアップを引っ張って、場内がどよめく飛球もフェンスぎりぎりのレフトフライ。 6:今江 2死二塁。続く今江も初球から積極的に打つも、センターフライ。
・日本、得点圏にこの試合、3度目の走者を進めるも、得点ならず。
4回裏
2:イ・ジョンボム 初球、レフトポール際の大ファウルも多村がジャンピングキャッチでアウトにするファインプレー! 当たっているイ・ジョンボムをレフトファウルフライに打ち取った。 3:イ・スンヨプ 1ストライクからの2球目、ストレートを打って、ライトフライ。 4:チェ・ヒソプ 2ストライク1ボールからの4球目、141キロのストレートを打たれるも、センター正面のフライ。
・上原、多村のファインプレーにも助けられ、テンポのいい投球で3イニング連続の3者凡退。
5回表
7:小笠原 1ボールからの2球目、外角低めのチェンジアップを打って、レフトフライ。 8:里崎 1ストライク1ボールからの3球目、ストレートを打って、センターフライ。 9:川崎 2ストライク1ボールからの4球目、外角のチェンジアップを打たされて、セカンドゴロ。
・日本、あっさりと3者凡退。
5回裏
5:イ・ジンヨン 初球、内角のストレートでセンターフライに打ち取る。 6:イ・ボムホ 2ストライクからの3球目、フォークで空振り三振に打ち取る。 7:パク・ジンマン フルカウントからの6球目、ストレートを打たれて、センター前ヒット。 8:チョ・インソン 2死一塁。初球、ストレートを打たせて、センターフライ。
・上原、2アウトから久々の走者を出すも、後続を冷静に打ち取る。5回まで費やした球数は63球。
6回表
・韓国は好投していたソ・ジェウンから左腕ジョン・ビョンドゥに投手交代。
1:青木 1ボールからの2球目、外角高めのストレートを逆方向に打ち返すもレフトフライ。 2:西岡 2ストライク2ボールからの5球目、高めの変化球を打って、セカンドゴロ。 3:イチロー 2ストライク1ボールからの4球目、外角のスライダーをうまく打ち返すも、ショートゴロ。
・日本、1番青木からの好打順だったが、3者凡退。
6回裏
9:キム・ミンジェ 1ストライクからの2球目、フォークを打たせて、ショートゴロ。 1:イ・ビョンギュ 2ストライクからの3球目、真ん中低めのフォークで空振り三振。 2:イ・ジョンボム 2ストライクから1球ファウルで粘っての4球目、フォークを打たせて、サードゴロ。
・上原、フォークを有効に使って、3者凡退。6回まで72球と理想的な投球を見せる。
7回表
4:松中 2ストライク1ボールからの4球目、真ん中のストレートを引っ張ると、打球はライト線を抜ける二塁打!
・韓国、右の多村を迎えるところで右サイドの速球派キム・ビョンヒョンをマウンドに送る。
5:多村 無死二塁。バントの構えを見せるも、失敗。結局、2ストライク2ボールからの5球目、外角のスライダーに空振り三振。 6:福留 1死二塁。今江の代打にスタメン落ちしていた福留を送る。1ストライク1ボールからの3球目、真ん中のストレートを引っ張り、打球はライトスタンドへ一直線の先制2ラン! 7:小笠原 初球のストレートが小笠原の右太ももに当たる死球。審判はマウンドのキム・ビョンヒョンに警告。 8:里崎 1死一塁。2球目、キム・ビョンヒョンのボールがワンバウンドになる暴投で小笠原が二塁へ進む。2ストライク1ボールからの内角低めのカーブを打って、打球はワンバウンドでレフトスタンドに入るエンタイトルツーベース! 二走の小笠原が3点目のホームを踏んだ。
・韓国、3点取られたキム・ビョンヒョンに代わって、メジャーリーガーのボン・チュングンがマウンドに上がる。
9:川崎 1死二塁。1ストライクからの2球目、カーブを打って、セカンドゴロ。二走の里崎は三塁へ進む。
・韓国、日本に代打宮本が出てきたところで、ソン・ミンハンに投手交代。
1:宮本 2死三塁。青木の代打に宮本。1ボールからの2球目、低めの変化球を引っ張って、レフト前タイムリー。日本、4点目を追加。 2:西岡 2死一塁。1ストライク2ボールからの4球目、カーブをうまくひろって、セカンド後方へのポテンヒット! 一走の宮本は一気に三塁へ。 3:イチロー 2死一、三塁。1ストライクからの2球目、外角のストレートを左方向に流して、レフト前タイムリー! イチローのタイムリーで日本、リードを5点に広げる。 4:松中 2死一、二塁。1ストライクからの2球目、変化球を引っ掛けて、セカンドゴロ。
・日本の“ラッキー7”の攻撃は、福留の先制2ランを含む6長短打で5点を挙げた。
7回裏
・日本、代打で出た福留はセンターに入り、宮本はサードのポジションに入る。上原は続投して、7イニング目のマウンドに立つ。この回からペトコ・パークに小雨が降り出す。
3:イ・スンヨプ 2ストライク1ボールから2球連続ファウルを挟んでの6球目、外角のストレートで見逃し三振。 4:チェ・ヒソプ 2ストライク1ボールからの4球目、真ん中低めのフォークで空振り三振。 5:イ・ジンヨン 初球、ストレートを打たれて、センター前ヒット。 6:ソ・ジェセフ 2死一塁。試合途中からサードのポジションに入っているソ・ジェセフの初打席。2ストライクからの3球目、外角のストレートで見逃し三振。
・上原、韓国のクリーンアップを迎える7回もテンポのいい投球で無失点に抑える。
8回表
・韓国、ペ・ヨンスをマウンドに送る。
5:多村 1ストライクからの2球目、外角高めのカーブを打つと、打球は左中間の一番深いところに飛び込むソロ本塁打! 6:福留 1ストライク1ボールからの3球目、変化球を打ち上げてしまい、レフトフライ。
・ここで雨が激しくなり、一時、試合中断。45分の中断を経て、試合再開となった。
7:小笠原 1ボールからの2球目、変化球を打ち上げてサードファウルフライ。 8:里崎 1ストライク3ボールからの5球目、真ん中のストレートをセンターに打ち返すヒット! 9:川崎 2死一塁。2ストライクからの3球目、外角のスライダーで見逃し三振。
・日本、多村のソロ本塁打でリードを6点に広げる。
8回裏
・日本、7回を3安打、無失点に抑えた上原に代わって、薮田がマウンドに上がる。
7:パク・ヨンテク パク・ジンマンの代打パク・ヨンテク。初球、スライダーを打って、ライトフライ。 8:ホン・ソンフン チョ・インソンの代打ホン・ソンフン。2ストライクからの3球目、内角のストレートがホン・ソンフンの左手に当たる死球。 9:キム・ミンジェ 1死一塁。2ストライク2ボールからの5球目、真ん中低めのフォークで空振り三振。 1:イ・ビョンギュ 2死一塁。1ストライクからの2球目、ストレートを打たれて、センター前ヒット。 2:イ・ジョンボム 2死一、二塁。初球、変化球で打たせて、ショートフライ。
・2番手・薮田、走者を出すも、好調のイ・ジョンボムを抑えて、得点許さず。
9回表
・韓国、9回のマウンドに上がったのはオ・スンファン。
1:宮本 1ストライク1ボールからの3球目、チェンジアップを打って、サードゴロ。 2:西岡 1ストライク2ボールからの4球目、ストレートを打つも、ショートゴロ。 3:イチロー 1ボールからの2球目、真ん中のストレートを打って、サードファウルフライ。
・9回にダメ押し点を入れたい日本だったが、1番からの好打順も3者凡退。
9回裏
・日本、9回裏のマウンドには守護神・大塚が上がる。
3:イ・スンヨプ 2ストライク1ボールから高めのストレートで空振り三振に打ち取る。 4:チェ・ヒソプ フルカウントからの6球目、スライダーが低めに外れて四球。 5:イ・ジンマン 1死一塁。2ストライク2ボールからの5球目、外角のストレートで見逃し三振。 6:ソ・ジェセフ 2死一塁。2ストライク1ボールからの4球目、スライダーが低めに逸れる間にイ・ジンマンが二塁へ進む。その後、ソ・ジェセフに粘られるも、最後はストレートで空振り三振。
・日本、韓国に快勝して、決勝進出!
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