茨城県水戸市内の小学校の男性教諭(55)が、児童を傷つける発言をしたり頭をたたいたりしたとして担任を外されていたことが6日、分かった。市教育委員会によると、この教師は給食でおかわりしようとした6年生の男子児童に「家で朝ご飯を食べられないから、おかわりするのか」と発言。児童は母子家庭で就学援助を受けていたことからショックを受け、母親が学校に通報した。男性教諭は事実を認め親子に謝罪したという。
市教委によると男性教諭の「暴言」があったのは昨年の9月下旬。給食の時間に6年生の男子児童がおかわりをした。すると、この教師は「家で朝ご飯を食べられないから、おかわりするのか」と発言。児童は「食べてきました…」と答えたという。
この男子児童は母子家庭で就学援助も受けている。家に帰った児童が給食時のやりとりを報告したところ「あまりに配慮のない発言」と母親が激怒。学校に通報した。男性教諭は、児童の家庭状況を知った上で発言しており「配慮のない発言をして申し訳なかった」と後日、謝罪したという。
男性教諭は昨年5月にも、この男子児童の頭部を軽くたたいたことがあった。予防接種を受けるのに必要な問診票を提出した際、保護者の押印を忘れたためだったという。
今年1月には夜遅くまで校庭で遊んでいた児童4人に、男性教諭が「早く帰るんだぞ」と注意。だが、すぐに帰らなかったため翌日朝、4人の頭を平手でたたいた。この中にも母子家庭の児童は含まれていた。この4人は掃除をさぼったり、休み時間が終わっても教室に戻らなかったりと、「指導に手が掛かる」(市教委)グループだったという。これら3件について、男性教諭は事実を認め謝罪。「指導したものの効果がなかったため、焦っていら立ち手が出てしまった」と説明しているという。
校長は1月26日、男性教諭をクラス担任から外した。4人の児童に対しては、校長、教頭、男性教諭が保護者宅に出向き、謝罪したという。
市教委は、男性教諭について「ざっくばらんで大きく構えて指導に当たる先生。だが、細かい配慮に欠けていたかもしれない」と説明。また「児童への指導や発言が不適切で何度も注意したが改善されなかった。県教委と協力して処分を検討する」としている。
教育評論家の尾木直樹法大教授は「この男性教諭の発言は完全に人権を侵害しています。リアリティーがあり冗談では済まされない。教師の仕事をやっていくのは不可能だと思う。『ひょっとして、朝ご飯を食べていないのか』と心配するのなら分かるのですが…」と話している。
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