短いスカート丈を気にしない女子高生たち=JR新潟駅前
ポスターの製作を担当した樋口可奈恵さん(左)と高綱幹さん=新潟市中央区の新潟デザイン専門学校
女子高校生の制服のスカート丈が全国一短い――。写真週刊誌に4年前、そう報じられた新潟県。女子高生の多くが今も太ももをあらわに歩くのを見かね、県内の全高校は今月、一斉に生徒指導に乗り出した。なぜ短いのに、そんなにこだわるんだろう?
1月下旬の夕方、新潟駅前のファミリーレストラン。おしゃべりを楽しむ女子高生2人のスカート丈はひざ上20センチほど。
この日は路肩に雪が積もっていた。私立高校1年の粉川江理さん(16)は寒さも、男性客がちらちら投げる視線も平気だ。気になるのは、同性の目だという。
「学校には丈が長い子もいるけど、そういう子たちは別グループ。いつも一緒に行動するのは短い子」
県内の生徒指導の先生たちは、「勉強もスカートも、やる気次第でまだまだのびるんだ」「女性の品欠く」といった標語のポスターを3種類作った。電車内で昨年、女子高生のスカートが切られる事件が多発したのがきっかけだ。
女子高生と学校側とは、これまで激しい「戦い」を繰り広げてきた。生活指導が終われば、生徒たちはウエスト部分を折り曲げて短くする。
今回指導の中心となった新潟市立高志高校の内川洋校長は「『こんな格好を許していいのか』という電話や投書も多かった」という。ウエスト部分が相撲の「まわし」のように厚く、折り曲げできないスカートを導入しようとしたが、値が張り、採用したのは数校どまり。「採用した学校でも、生徒たちは何とか折り曲げようとしたんです」
「うーん、よくある短さではないかな」と言うのは、「東京女子高制服図鑑」を出版したイラストレーター森伸之さん(48)だ。
昨年、新潟を訪れて気になったのは、スカート丈より靴下。「東京はハイソックスが基本だけど、新潟は短い子が多い。露出が増える分、スカートが短く見えるのでは」