福岡放送局

2009年2月6日 21時3分更新

生徒の自殺で学校が報告書


担任の教師から体罰を受けたことがある福岡市の中学1年生の男子生徒が先月、自殺したことについて、学校側は「体罰などと自殺とのつながりは考えにくい」とする報告書をまとめ、遺族に渡しました。

福岡市西区の内浜中学校に通っていた中学1年生の男子生徒が、先月19日、自宅近くのマンションから飛び降りて自殺し、その後、この男子生徒は、担任の教師から去年6月にひざを蹴られるなどの体罰をうけていたことや、自殺の2日前に携帯電話のメールに「先生がまた殴った」などと書き残していたことがわかりました。
このため遺族は、体罰などが自殺の原因ではないかとして、体罰の詳しいいきさつや自殺前の学校での男子生徒の様子などについて文書で報告を求めていたもので、6日学校側が遺族に報告書を渡しました。
それによりますと、担任が男子生徒のひざを蹴ったりしたことは、行き過ぎた行為だったと認めていますが、教師や生徒からの聞き取りの結果、その後の学校生活で変わった様子はなく、体罰などと男子生徒の自殺とのつながりは考えにくい状況だとしています。
この問題で内浜中学校の薄公治校長は当初、「担任の指導が自殺の要因の1つだったかもしれない」としていましたが、6日の会見では「聞き取りの結果、自殺とのつながりは考えにくいという結論にいたった」と述べました。
これについて男子生徒の母親は、「何が自殺の原因かは、すぐに判断できなるはずもないのに、因果関係がないと断定したことは納得がいかない。情報のすべてを提供するよう学校側と対話を続け、息子に何があったのかを知りたいと思う」と話しました。