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【法廷から】孤独妻が金を欲しかった理由 (1/4ページ)
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処方薬をもらいに行っていた薬局で、バッグの中から金品を盗もうとしたとして、窃盗未遂の罪に問われた女性被告(37)の初公判を27日、東京簡裁で傍聴した。夫婦関係がうまくいかず、相談できる人もいない中で、習慣性のある薬におぼれていく妻の姿がかいま見えた。
茶髪でポニーテールの被告は、紺色のTシャツにグレーのスウェット姿で入廷してきた。
起訴状によると、被告は今年6月13日午前10時50分ごろ、東京都台東区の薬局の従業員用休憩室で、女性従業員のバッグを物色したが、金目のものがなかったため、何も盗まなかった。罪状認否で、被告は起訴事実を認めた。
検察側の冒頭陳述によると、被告は今年5月から、この薬局の休憩室で従業員の財布から現金を盗むことを繰り返していた。
被害が続いたことで、薬局側が休憩室にビデオカメラを設置。犯行の模様が記録された映像が、被告逮捕の決め手になった。
情状証人として、被告の夫が証言台に立った。
弁護人「薬局に被告を送り迎えしていた?」
夫「していました」
弁護人「店には入ってない?」
夫「車で待っていました」
弁護人「子供は事件のことを知っていますか」
夫「知りません。入院していると思っています」
弁護人「被告に言いたいことはありますか」
夫「裏切られたって感じです」
弁護人「『裏切られた』とは具体的にどういうことですか」
夫「てっきり病気と思って、月2回会社を休んで、通院に付き添っていたが、そんなこと(窃盗)をしていて許せない」