皇太子さまは9日からベトナムを公式訪問してハノイの盲学校を視察するが、同校へ長年、資金援助などをしてきたのが俳優の杉良太郎さん(64)だ。杉さんは20年前からベトナム各地で支援を始め、現在は「日ベトナム特別大使」。今回、同校で皇太子さまを案内する。
杉さんがベトナムを初めて訪れたのは89年。外務省の知人がハノイに赴任したのがきっかけだった。以来、生活用品や資金の提供を続け、とりわけ盲学校を併設するグエン・ディン・チュウ小中学校とバックラ孤児院は毎年訪問。バックラ孤児院にいる33人の子供の里親にもなった。
同小中学校には現在、100人以上の視覚障害者が在籍し、約1000人の健常者と同じクラス、カリキュラムで授業を受けている。
昨年9月に東京・代々木公園で開かれた「ベトナムフェスティバル」では、同校の視覚障害者の生徒9人が杉さんらの招きで来日し、伝統楽器の演奏を披露。皇太子さまも出席して拍手を送った。杉さんは「あの子たちはこれまで、日本で演奏するなんて思いもしなかったのに、来日が自信になった。今では外国から演奏の誘いもあると聞いています」と喜ぶ。
今回、同校を訪れる皇太子さまは、日本で演奏した生徒たちと再会する。杉さんは「自動車がほとんどなかった20年前に比べ、ベトナムは驚くほど発展したが、盲学校の生徒のような弱い人、恵まれない人は大勢いる。皇太子さまがそういう人たちに声をかけていただくことはありがたいことだし、子どもたちは再会を楽しみにしている」と話している。【真鍋光之】
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