20万世帯を巡回
相次ぐ振り込め詐欺の被害に歯止めをかけようと、県警は、交番や駐在所などの“お巡りさん”が、県内の六十五歳以上の高齢者宅を一戸ずつ訪問し、詐欺の手口や対処法などを説明して注意を呼び掛ける「高齢者30万人総当たり作戦」を始める。十五日から半年間かけ、対象の約二十万世帯を巡回する計画。高齢者はオレオレ詐欺や還付金詐欺の被害に遭いやすく、「警察官と直接面談することで、一人一人に理解を深めてもらい、被害予防につなげたい」としている。
県警によると、昨年一年間に把握した振り込め詐欺の被害は百五十件、総額一億八百二十八万円(暫定値・前年比二件、千二百三万円の減)。中でも、子や孫を装うオレオレ詐欺(十四件、二千四百三十万円)は、被害者の57%が高齢者。「税金、医療費の払い戻しがある」などとだます還付金詐欺(十二件、七百四十七万円)も高齢者が50%を占めた。こうした実態を踏まえ、今回の作戦を決めた。
地域警察官が日ごろの業務として行う「巡回連絡」を活用。高齢者宅を訪れ、巧妙化するさまざまな手口や、不審電話がかかってきた時の注意点などを解説する。今後、発生が懸念される定額給付金に便乗した詐欺にも注意を促す。
「振り込め詐欺は、誰でも被害に遭う可能性がある。人ごとと思わず、まずはお巡りさんの話に耳を傾けてほしい」と県警。高齢者にも分かりやすく、説得力のある説明が求められることから、話術を競う大会を開くなど、若手警察官らのレベルアップを図っているという。
県警は「詐欺グループから不審な電話を受けたり、金をだまし取られても、警察に相談や届け出をしていないケースがある。各戸の訪問で細かな情報も把握し、被害予防の対策をスピーディーに講じていきたい」としている。
巡回連絡
交番や駐在所などに勤務する警察官が、高齢者以外も含めた各世帯を訪問し、地域のさまざまな情報を得るほか、治安や防災など安全・安心にかかわる情報を住民に伝えたり、アドバイスしたりする業務。今回は振り込め詐欺対策のため、県内の高齢者30万9523人(昨年10月時点)を重点的に巡回する。
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