あいさつする斉藤本部長=県警本部
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昨年に県内で認知された振り込め詐欺は前年比七件減の百五十九件、被害額が約三千万
円減の約一億六千四百万円と、減少に転じたことが二十三日、県警の調べで分かった。た
だ、エクスパックで現金を郵送させる手口が急増し、警察官などを装って自宅を訪問する
新手の「面接型詐欺」など、犯行が巧妙化している実態が浮上。県警は金融機関や自治体
と連携し、被害防止対策を引き続き強化する。
県警捜査二課によると、被害の内訳は、「オレオレ詐欺」が前年比十四件減の二十二件
で、被害額も約二千百万円減の約四千五百万円となった。このうち警察官や銀行員を装っ
て民家を訪問し、キャッシュカードや通帳を奪い、暗証番号を聞き出し、現金を引き出す
面接型詐欺も三件確認された。
「架空請求詐欺」は六十件と前年から二十三件増えたが、被害額は約五千八百万円と約
二百四十万円減少。「融資保証金詐欺」は件数が六十七件(前年比一件減)で、被害額は
約千二百万円増の約五千六百万円と増加に転じた。また「還付金等詐欺」は十五件減の十
件、被害額が約千八百万円減の約四百五十万円と大幅に減少した。
ATM(現金自動預払機)から送金させる手口は前年より減ったが、エクスパックで郵
送させる詐欺が四十九件と昨年の約五倍に急増した。金融機関が本人確認などの対策を強
化する中、県警は犯人が窓口を通さないエクスパックを悪用しているとみている。
今後は定額給付金の支給を語った新手の詐欺なども懸念され、県警は▽ATM周辺の巡
回強化や声掛けの励行▽年金支給日の特別警戒−などを引き続き進めるとしている。
県警本部で同日、金融機関や市町村の代表者約六十人を集めた第二回県振り込め詐欺撲
滅対策会議が開かれた。斉藤良雄本部長があいさつした後、各団体が連携して詐欺の対策
を強化することを確認した。